なんだか社長

自宅で仕事をするということ

[2007年06月13日(水)]

フリーになってしばらくは「よく自宅で仕事できるなぁ」と感心される事がよくありました。自宅だと他の人の目は無いし、ちょっと息抜きになるような誘惑はいっぱいあるしというわけです。が、実を言いますと私も自宅で仕事が出来ていたわけではありません。他人の目がないのでついさぼってしまったり、誘惑に負けてしまったりもしました。実際には締め切りがあるわけなんで、締め切り直前になってあわてて突貫作業で間に合わせていたわけです。

これじゃいかんなぁという事で、いろいろ試してみまた。ノートPC持って喫茶店やファミレス行ったり、ネットカフェで仕事したり。自宅では気が散るからと、安いレンタルオフィスを借りたこともありました。でも目先を変えた最初のうちはよくても、慣れると結局一緒なんですよね。

一番効果が高いのはクライアントのオフィスに出向いて作業するとき。つまり、環境としてはサラリーマンと一緒。結局、他人の目がないことが一番の原因なわけだから、他人の目があると仕事に手がつく。多分、フリーランスが集まるスモールオフィスなんてのがあるといいと思う。でも自宅の通勤時間0秒のメリットも捨て難い。

何度も突貫作業と自己嫌悪と反省を繰り返し、今ではだいぶ自宅で仕事をすることにも慣れました。自己管理と言うとかっこいいけれど、結局は苦しんで慣れるしかないのかなぁと思います。

フリーランスはプロジェクトのコアに係われない

[2007年06月13日(水)]

私がまだサラリーマンだった頃の話。とある社内プロジェクトに参加して、下っ端ですが企画段階から結構口を出していました。プログラマとしては私がトップだったので、開発業務については基本設計から自分でやりました。そして、実際に開発工程という段になると人手が足りないので外注のスタッフを呼んだわけです。外注の出来が悪くて苦労したという話ははいて捨てるほどありますが、このときは運のいいことに非常に優秀な人が見つかりました。ぶっちゃけ、私よりはるかに優秀。しかし、その人が参加した段階ではすでにプロジェクトの詳細は決まったあとだから、その人がいくらいいアイデアを持っていたとしてももうどうしようもないわけです。つまり乱暴に言ってしまえば、フリーランスはプロジェクトのコアに係わることが出来ないわけです。

もちろんそうでない場合もあるでしょう。コンサルのようにコアに係わる事が前提の職種もありますし。でも私の職種であるプログラマの場合は、そういう例はあまりなさそうです。

人によって志向する仕事は様々です。プロジェクトのコアに係わりたいと思わない人だってたくさん居るでしょう。でもそうじゃなくて係わりたいと思う人は、フリーランスの道は少なくとも遠回りにはなると思います。私は当時はコアに係わるようになりたいと思っていたのでフリーランスはなりたくないと思いました。今は考えが変わって、それ以外のメリットの方が大きいのでフリーランスになりましたけれど。

見積もりの四方山話

[2007年06月13日(水)]

受託仕事の場合はまず見積もりから始まります。その見積もりについて小ネタ的にいくつか。

見積もりの期限で多いのが「なるべく早く。出来れば今日中に」というもの。そんなに急いでるんだったらということで急いで見積もるんですが、返事はなかなか来ない。1週間2週間と経ったあたりで問い合わせてみると「検討中です」との回答。検討するのはいいんだけど、そんだけ時間があるんだったら、なんで見積もりは当日中に必要だったのよ。

仕様がまだ詳細には決まってなくて、でもとりあえず金額が知りたいと言う事で概算で見積もる事も多い。「詳細な仕様が決まったら見積もり直してください」と言うんだけど、実際には概算のままで納品まで至ってしまうことも多い。というか、こういう場合はたいてい詳細な仕様は作りながら段々決まっていって、見積もり直す機会なんて無い。途中で見積もり直しについて言い出せない私も悪いんだけど。一時期、あとで絶対に見積もり直せるように「約○○円」とか「○○円から○○円くらい」なんてほんとの概算で見積もってた事もあるけど、どうせ仕様は決まらないと分かったので今はしてません。フリーランスの指南書には「仕様は最初にきっちり決めて、できれば契約書を交わしましょう」なんてよく書いてあるけど、現実にはそうもいかない場合も多いのは私が甘いんですかね。

「今回予算が無いんでこの値段で。次で返すから」というのもよく聞きます。返してもらうことはめったにありませんけれど。ゼロではないというのが余計に悩ましい。

見積もりのもとになる資料がアバウトな事も多いです。資料が無くてって意味ではなく。口頭でしか説明してくれないけどきっちり仕様が決まっている事もあります。ではなくてほんとに概要だけの資料しか無い場合。逆に何百ページもあるような詳細な仕様書を渡されても読むのも大変だから困るんですが。ときによっては他社の類似製品を提示されて「これを同じ物を作るとしたら」なんて見積もり依頼もあります。こういうのはまだ企画段階で値段感が知りたいだけですので、こちらもそのように回答してますけれど。

見積もりはもちろん適正な金額で出すのが正論なんですが、それだと実際には仕事が取れない事も多い。しかも非常に。それでも安売りはしない、武士は食わねど高楊枝だってのでもいいんですが、武士ではない私としてはとにかく食べていかなきゃならあないので発注してくれそうな金額に収まるように見積もりをいじることもよくあります。そうすれば仕事は取れるんですが、かかる工数よりも安く請けてますから利益は無いか下手すりゃ赤字。もうほんと悩ましい。

消費税について。「自営業の場合は商品じゃないから消費税は取らない」という事をいう人が居ますが事業所得も立派な消費税の対象です。「年商1千万以下は消費税を納めないから取ってはいけない」という人も居ますがこれも誤解。納税の有無と徴収は関係ありません。ただ、世間的な慣習として「自営業は消費税は取らない」という流れはあるような気はしますし、実際私も個人事業の頃は消費税を取ってませんでした。ただ、法律上は消費税を取るか取らないかは請求書にどう書くか(内税か外税か)だけの違いで取っていることには変わりはありません。

うちの見積もり方

[2007年06月13日(水)]

受託額の見積もりというのは定量的に計ることの出来ない工数に定量的な金額を当てはめる作業なんで、正しい方法はありません。出てきた金額を発注側受託側の双方が納得できるかどうかだけです。極端な話、サイコロふって決めてもいいんですが、さすがにそれではいい加減過ぎるんで、損にならない程度に現実的な方法を採る必要があります。

代表的な方法には大きく分けて成果物ベースと工数ベースがあります。成果物ベースとは例えばウェブ制作の場合にページ当たり○○円という考え方。プログラム開発ならば行当たりいくらとかですね。工数ペースは1人月(人日)当たりいくらという考え方。私は基本的に工数ベースで見積もりをしています。なぜなら会社としてみた場合、プログラム開発では掛かる費用は人件費がほとんどです。その人件費は月給という形で時間に応じて支払われるわけですから、工数ベースの方が整合性が採れると思うからです。

ただ、この工数ベースという考え方は特にソフトウェア業界では非常に評判が悪いです。それは特にプログラマの場合は人によって生産性に非常に大きな開きがあるからです。普通の人なら何カ月も掛かるようなプログラムを優秀な人なら数日で作ってしまうなんてことは平気である業界です。この場合工数ベースだけで見積もってしまうと優秀な人は同じ成果を上げても安い報酬しか得られない事になり、それはおかしいという考え方です。でも、この場合は何カ月という工数で見積もればいいと私は思います。だってほかの人なら実際にそれだけかかるんですから。また、工数ベースは完全な見積もり法でないのは確かですが、では代わりに何かいい方法があるかというと聞いたことがありません。ならば、欠点はあっても比較的マシな方法で見積もるのが現実的な対処だと思います。

成果物ベースも工数ベースもどちらも掛かった手間に応じた見積もり方です。それに対して成果物の生み出す価値をベースにするという考え方もあります。1日で作った小さなプログラムだけど、顧客に何億円もの利益を生み出したなんてことは、めったにないけれども無い話ではありません。こうしたときに手間に応じた見積もりだとほんの少額しかうけとれませんので面白くないというのは感情としては分かります。でも、これはうまくいった例の話。逆に何カ月も掛かって作ったけど顧客は1円の利益も得られなかった場合もあります。商売ですからそういうリスクもありますね。そのリスクを負っているからこそ顧客は成功時に莫大な利益を受け取ることもできるわけです。受託側もそのリスクを負ってリターンを得る方法としてロイヤリティ方式がありますが、私はリスクが大きすぎるので使ったことはありません。

ということでうちは基本的に工数ベースで見積もってます。単価は1日4万円。会社によっては業務の難易度に応じて単価に差をつけている場合もありますが、うちは難易度調整は工数で行って単価は均一にしてます。逆にデータ入力のような比較的低難易度の業務でも1日掛かるなら1日分。

工数は純粋に業務に掛かる部分だけで見積もってますので、それ以外に業務管理費として5%の金額を計上しています。これが打合せの時間とか交通費などの費用。5%なんで乱暴ですが、詳細に見積もるのも大変なんでここは概算でやってます。

値切り要請を受けることはそれほどないんですが、やはり時々はあります。半額とかの極端なものならともかく、ある程度なら応じることもあります。ただし一括での値引きだけ。工数や単価での値下げ要請は一切受け付けないようにしています。それをすると、下げた数字が次回以降の標準になってしまうと思うからです。

残業

[2007年06月13日(水)]

フリーランスの場合、勤務時間なんてあってないようなものですので残業という制度もあるわけではありません。それでもまあ、だいたいの仕事時間はあるわけですから、それを越えて働くのは一応残業ということになります。

残業と一言で言ってもいくつかの種類に分けることが出来ると思います。

例えば、常態化して残業が実質的に標準の作業時間化してしまっているもの。本来の意味から言えば、必要な作業は標準時間内にこなすべきで残業はイリーガルなものであるべきなんですがね。

あと、本当に仕事が忙しくてする残業。反対のものとして、忙しくないのに残業。サラリーマンで言う付き合い残業ですね。フリーランスの場合は付き合いでする必要はありませんが、逆に見張っている上司が居ないのでなんとなくだらだらと作業してしまって、思ったよりも時間が掛かってしまったという場合もあります。

別にだらだらとは限らず、自分で仕事を見つければ、思えば仕事なんていくらでもありますから、残業のネタに困ることはありません。帳簿つけていて経営分析を始めてしまい、営業戦略の検討なんて手をつけてしまったら、正解の無い問題ですし、提出期限があるわけでもなし、いくらでも時間を掛けられてしまいます。この点はフリーランスの場合は自分で自分を監督しなきゃいけないので注意が必要ですね。

残業手当ての出ないサービス残業なんてのもあります。これはフリーランスには関係ありませんが。

話はちょっと変わりますが、知り合いの社長で会社全体で残業をしないというところがあります。週1日ノー残業デーではなく、毎日がノー残業デーだそうです。社長も含めて社員全員の意識を変えて、その体制を作ったそうです。24時間働くのが社長の美徳みたいな考え方とは真っ向から反対しますが、私は残業なしの方を見習いたいなぁと思ってます。なかなか出来てないけど。私の現状は上で書いただらだら残業状態。成果が上がっているなら時間の使い方は自由なんですが、同じ成果なら短時間で出来たほうがいいわけですからね。なんとか、真似したいなぁと思いつつ、なかなか出来てません。