"マネーゲーム"とはかつてバブル華やかなりし頃に流行った言葉です。それまで株などの投資に無関心だった人までマネーゲームに群がっていました。が、ここではそんな派手な投資/投機ではなく、わたしの個人的な資産運用(という程の額ではないが(^^))について公開レポートしています。
[2007年02月08日(木)]
たかが2級に合格した程度の私が簿記を語るのはおこがましいのですが、とりあえず現時点で思う簿記とはこういうものというところを少し。
簿記の原理的な話としては、極論すると貸借と期間割当てに尽きるんじゃないでしょうか。原理自体はこの二つしかなくて、簿記の勉強とは実際の数々の取引がこの二つにどのように当てはめられていくかを覚えていくことなんではないかと思います。
貸借は全ての取引を借方と貸方に割り振るという考え方。簿記を勉強しだしてしばらくは機械的に覚えていたんですが、あるときふとこれは結構すごい考え方だなと気がつきました。複式簿記以前となると単式簿記すなわち現金出納帳などになるのですが、単式簿記には非常に使い辛い点があります。それは帳簿で一つの資産しか扱えないこと。銀行口座があれば銀行出納帳を別に用意しなければなりません。銀行口座から現金を引き出す取引を記帳するのに別々の帳簿に記帳しなければならず、記帳ミスが発生しやすくなります。しかし、複式簿記ではこんな問題は発生しません。一つの仕訳帳で全ての勘定科目を取り扱うことができます。これに気がついたときは結構感動しました。独学のときの参考書にも学校のテキストにもこんな話は全然出てきません。こういう、複式簿記が何の役に立つのか、どのような点で優れているのかなんて話を最初の方に少ししてもらえると、学習者にとって学習意欲がわきやすくなっていいんじゃないかと思うんですが。
次に期間割当て。取引の中には商品を売った買ったといったような、瞬間を対象にしたものもありますが、1年分の費用をまとめ払いしただとか、10年使う備品を買っただとかと、ある程度長期間を対象にしたものもあります。こういった取引を対象期間にならす処理ですね。見越し、繰延べの他に減価償却や引当金なども相当します。こちらも日常的には出てこない感覚なので、慣れるまでには少し時間がかかりました。簿記を勉強するまでは減価償却なんて単に税金をいっぱい取るためのものかと思っていましたが、実はそうではないんですね。粉飾決算だとか追徴課税だとかがよくニュースになっています。簿記を学習するまでは利益なんて唯一絶対の値があると思っていましたが、実は考え方次第でかなり幅をもたせることができるんだなと理解しました。
ここまで簿記のどちらかというといい話ばかり書いてきましたが、もちろんいい話ばかりではありません。といって悪いとまではいかないのですが。
まず、簿記の対象とするのは取引の分析、記帳から決算書を作るところまで。そこまでです。決算書から何を読み取るかという話は、少なくとも2級までの授業では出てきませんでした。ですので、簿記の技能は経理担当者には必要ですが、経営者とか投資家といった人にはあまり役に立ちません。もちろん知っていれば決算書を読み取るのに役に立ちますが、それだけのために簿記を勉強するのは労力に見合わないと思います。
また、まだまだ古い概念が数多く残っているというのも感じました。私自身は自分の仕事で当座預金口座を持ってないので手形や小切手を使ったことがないのですが、まあこれらを古いと言い切ってしまうのはまだちょっと早いでしょうか。しかし、これだけ銀行ネットワークが発達したわけですから、小切手や手形の需要は今後減っていくと思うんですが。特に手形のうちでも為替手形や裏書手形は早くに無くなっていくんじゃないでしょうか。また、会計ソフトが一般的に使われるようになった時代において、転記だとか試算表、精算表はどこまで意味があるのでしょうか。会計ソフトを使えばボタン一発で決算書まで作ってくれます。その過程の仕組みを知るという意味では一度は手計算でやってみる価値もあるでしょうが、学習時間の大半を電卓叩きに費やすというのは疑問にも思えます。もっとも、会計ソフトが中小企業も含めて一般に使われるようになったのはせいぜいこの10年のこと。それ以前は電卓だけですし、年配の経理担当者のなかには「算盤が使えないと経理マンとは言えん」と言われた世代の方なんてのも、まだまだたくさん居ることでしょう。今後、変わっていくんではないかと思います。
これは簿記自体というよりは参考書や学校の問題かもしれませんが、なぜか徹頭徹尾方程式が出てきません。方程式を使えば簡単に公式一つにまとめられそうな話を、場合ごとに計算手順を暗記していくという学習方式になっています。方程式は中学で習うので、簿記を学習する人なら全員知っているという前提でもいいと思うのですが。数学が苦手だった人でも学習できるようにという配慮なんでしょうか。
勉強していて意外だったのは、現実の制度にかなり即した内容になっていることです。なんとなく、時代や制度にとらわれない汎用的な内容を学習するのかと思っていたのですが、そうではないんですね。私は2006年の春から秋にかけて勉強しましたが、この年に新会社法が施行されました。ですので、翌年からは学習内容にもかなり変更が入るそうです。あんまり以前に簿記検定に合格したなんて人のなかには、今では使い物にならない知識の人もいるかもしれませんね。
いろいろ書きましたが、最後にまとめると、研究職や専門的な技能職などの人を除いたビジネスに携わる全ての人にとってやっぱり簿記は必須の知識ではないかと思います。特に営業だとか管理職だとかの人にとって。だって、簿記を理解していないと、極端な話ひとつの取引が利益をどれくらい生み出すのか、逆に損害を出してしまうのかなんてことが把握できないわけですから。外資系を中心とした企業で昇進するにはTOEICで何点以上が必要なんて話がよく言われます。確かに英語も大事だとは思いますが、簿記も多分大事だと思います。TOEICと共に日商簿記3級程度も必須にする会社があってもいいのかもしれません。