"マネーゲーム"とはかつてバブル華やかなりし頃に流行った言葉です。それまで株などの投資に無関心だった人までマネーゲームに群がっていました。が、ここではそんな派手な投資/投機ではなく、わたしの個人的な資産運用(という程の額ではないが(^^))について公開レポートしています。
[2005年07月10日(日)]
投資の本などを読んでいると、次のような例題が出ているのをよく見かけます。
- A 無条件で8万円貰える。
- B くじ引きで、85%の確率で10万円貰えるが、残り15%は1円も貰えない。
あなたならどちらを選びますか。
で、ぱっと見て答えるところでは、大抵の人はAを選ぶだろうと。しかし、期待値をそれぞれ計算してみると、Aは8万円、Bは8万5千円だから、Bを選ぶほうが確率的に得である。だからBを選びなさい、と。
これは、直感ではなく期待値に基づいた投資判断を行いなさいという教訓なわけで、それはそれで非常にためになるお話ではあると思います。しかし、一方でへそ曲がりの私は「本当にそうか?」と考えてしまうわけです。以下、その屁理屈をいくつか書いてみます。
このゲームのルールには何回挑戦できるか書かれていません。ですので、常識的に考えれば1回ということになるかと思います。
期待値というもっともらしい用語で解説されていますが、期待値というのはあくまでも実行する前に求める値に過ぎません。結果は期待値どおりにはならないのです。コイントスを10000回繰り返せば、表と裏の回数は5000回ずつにかなり近くなるでしょうけれど、1回しかトスしなくて0.5回ずつなんて事はあるわけはありません。ですので、このゲームの結果としては10万円、8万円、0円のどれかの結果しかありえなくて、期待値どおりの8万5千円貰えるなんて事はないのです。
- B' くじ引きで、85%の確率で2万円貰えるが、残り15%は8万円を払わなければならない。
というゲームに参加するかどうか、という風に考えることも出来るのです。
最初のゲームだとノーリスクで10万円もしくは8万円のリターンだったのが、今度はリターンは2万円で、リスクは8万円というゲームに変わってしまいました。期待値は5千円と、トータルではゲームが変質しているわけではありません。見方を変えただけですから、当然ですね。でも、いくら期待値がプラスでも、こんなハイリスクなゲームに挑戦する人は多分居ないと思いますよ。
「銀と金」というコミックに似たようなゲームが出てきました。
- A 無条件で5000万円貰える。
- B くじ引きで、50%の確率で5億円貰えるが、残り50%は1円も貰えない。
あなたならどちらを選びますか。
Aの期待値は5000万円で、Bの期待値は2億5千万円です。当然、投資セミナーの先生方は全員Bを選んでもらわないと困りますね(^^)。でも私なら迷わずAを選びます。コミックでも銀二はAを選ぶことを「賢明だと褒めたいくらいだ」と言っています。5億を棒にふったところで、5千万円貰えるですから。5千万円は、これまたコミックに出てきた言葉ですが「人生を変える価値がある」んですよ?
反対に金額が小さくなったらどうでしょうか。
- A 無条件で8円貰える。
- B くじ引きで、85%の確率で10円貰えるが、残り15%は1円も貰えない。
あなたならどちらを選びますか。
期待値はAが8円で、Bが8円50銭です。大人ところか、小学生でも「どっちでもええわい」って答えるでしょね。
つまり、投資判断において期待値を求めることは重要かもしれませんが、その期待値の絶対額が自分にとってどれほどの価値を持っているかは、それ以上に重要なのではないか、と私は思うわけです。実際、最初のゲームの設問にしたところで、8万円10万円という金額は一般庶民にとって「貰えると結構嬉しい。しかし、貰えなくても致命的に悔しいほどではない」金額として設定されているわけですから。