マネーゲーム

"マネーゲーム"とはかつてバブル華やかなりし頃に流行った言葉です。それまで株などの投資に無関心だった人までマネーゲームに群がっていました。が、ここではそんな派手な投資/投機ではなく、わたしの個人的な資産運用(という程の額ではないが(^^))について公開レポートしています。

番外編:期待値による投資判断の疑問

[2005年07月10日(日)]

投資の本などを読んでいると、次のような例題が出ているのをよく見かけます。

あなたならどちらを選びますか。

で、ぱっと見て答えるところでは、大抵の人はAを選ぶだろうと。しかし、期待値をそれぞれ計算してみると、Aは8万円、Bは8万5千円だから、Bを選ぶほうが確率的に得である。だからBを選びなさい、と。

これは、直感ではなく期待値に基づいた投資判断を行いなさいという教訓なわけで、それはそれで非常にためになるお話ではあると思います。しかし、一方でへそ曲がりの私は「本当にそうか?」と考えてしまうわけです。以下、その屁理屈をいくつか書いてみます。

挑戦回数が決められていない

このゲームのルールには何回挑戦できるか書かれていません。ですので、常識的に考えれば1回ということになるかと思います。

期待値というもっともらしい用語で解説されていますが、期待値というのはあくまでも実行する前に求める値に過ぎません。結果は期待値どおりにはならないのです。コイントスを10000回繰り返せば、表と裏の回数は5000回ずつにかなり近くなるでしょうけれど、1回しかトスしなくて0.5回ずつなんて事はあるわけはありません。ですので、このゲームの結果としては10万円、8万円、0円のどれかの結果しかありえなくて、期待値どおりの8万5千円貰えるなんて事はないのです。

頭と尻尾はくれてやれ
これまた投資本によく書かれていることです。相場の底や天井を完全に読みきることは難しいので、そこそこに下がったところで買って、そこそこに上がったところで売れという事です。極大の利益を求めて、失敗しては元も子もないですから。 その教えに従うと、10万円という極大の利益や8万5千円というちょっと上乗せの利益を求めてリスクを追うよりも、8万円というほどほどの利益で満足するのは、まっとうな投資判断のようにも思えます。
見方を変える
このゲーム、Bだけを考えれば期待値は8万5千円で間違いないのですが、Aという選択肢が加わることによって、少し違う見方をすることもできます。 AかBかを選ぶのはくじではなく自分の自由意志です。Aを選べば間違いなく8万円を貰えるのです。という事は、8万円を貰ったものと考えてしまっても差し支えないでしょう。すなわち
  • B' くじ引きで、85%の確率で2万円貰えるが、残り15%は8万円を払わなければならない。

というゲームに参加するかどうか、という風に考えることも出来るのです。

最初のゲームだとノーリスクで10万円もしくは8万円のリターンだったのが、今度はリターンは2万円で、リスクは8万円というゲームに変わってしまいました。期待値は5千円と、トータルではゲームが変質しているわけではありません。見方を変えただけですから、当然ですね。でも、いくら期待値がプラスでも、こんなハイリスクなゲームに挑戦する人は多分居ないと思いますよ。

金額の持つ価値

「銀と金」というコミックに似たようなゲームが出てきました。

  • A 無条件で5000万円貰える。
  • B くじ引きで、50%の確率で5億円貰えるが、残り50%は1円も貰えない。

あなたならどちらを選びますか。

Aの期待値は5000万円で、Bの期待値は2億5千万円です。当然、投資セミナーの先生方は全員Bを選んでもらわないと困りますね(^^)。でも私なら迷わずAを選びます。コミックでも銀二はAを選ぶことを「賢明だと褒めたいくらいだ」と言っています。5億を棒にふったところで、5千万円貰えるですから。5千万円は、これまたコミックに出てきた言葉ですが「人生を変える価値がある」んですよ?

反対に金額が小さくなったらどうでしょうか。

  • A 無条件で8円貰える。
  • B くじ引きで、85%の確率で10円貰えるが、残り15%は1円も貰えない。

あなたならどちらを選びますか。

期待値はAが8円で、Bが8円50銭です。大人ところか、小学生でも「どっちでもええわい」って答えるでしょね。

つまり、投資判断において期待値を求めることは重要かもしれませんが、その期待値の絶対額が自分にとってどれほどの価値を持っているかは、それ以上に重要なのではないか、と私は思うわけです。実際、最初のゲームの設問にしたところで、8万円10万円という金額は一般庶民にとって「貰えると結構嬉しい。しかし、貰えなくても致命的に悔しいほどではない」金額として設定されているわけですから。

投資月記:2005年7月

[2005年07月22日(金)]

銘柄 元本 口数 購入単価 基準価額 残高 残高比率 損益 利回り
外貨MMF(US$) ¥287,706 $2,754.19 ¥104.46 ¥112.67 ¥310,315 18.85% ¥22,609 7.86%
外貨MMF(EURO) ¥140,000 1,055.83 ¥132.60 ¥135.99 ¥143,582 8.72% ¥3,582 2.56%
外貨MMF(A$) ¥190,000 $2,408.30 ¥78.89 ¥83.95 ¥202,177 12.28% ¥12,177 6.41%
トピックス ¥75,000 173,517 ¥4,322.34 ¥4,490 ¥77,909 4.73% ¥2,909 3.88%
さわかみファンド ¥423,277 399,679 ¥10,590.42 ¥14,024 ¥560,510 34.06% ¥137,233 32.42%
SS外株 ¥75,000 78,449 ¥9,560.35 ¥10,277 ¥80,622 4.90% ¥5,622 7.50%
VTSMX ¥98,539 35 ¥2,815.40 ¥3,340.66 ¥116,923 7.10% ¥18,384 18.66%
HSBCチャイナ ¥60,000 39,706 ¥15,111.07 ¥16,540 ¥65,674 3.99% ¥5,674 9.46%
HSBCインド ¥60,000 50,881 ¥11,792.22 ¥13,829 ¥70,363 4.28% ¥10,363 17.27%
DKA国債 ¥10,000 9,493 ¥10,534.08 ¥10,470 ¥9,939 0.60% ¥-61 -0.61%
個人向け国債 ¥10,000 1 ¥10,000.00 ¥10,000 ¥10,000 0.61% ¥0 0.00%
合計成績 ¥1,429,522 ¥1,648,014 100.00% ¥218,492 15.28%
確定損益 ¥-27,742 ¥-27,742
通算 ¥1,620,272 ¥190,750

先月書いたように外貨MMFに投資するのはどうかと考え直して、とりあえずユーロの積み立てを止めてみました。豪ドルは比較的利回りが良いので、もうしばらくこのまま積み立て続けるつもりです。

これまで私は投資の入門書の「円安リスク回避のために外貨建て資産を持つこと」なんてのを素直に信じてきました。しかし、よくよく考えてみると円安リスク回避ができるほどとなると、自分の資産のなかでもかなりの割合を外貨建てで持たなければならなくなります。そうすると当然ながら株など高リターンを期待できる金融商品への投資割合は下がってしまいます。外国株を為替ヘッジなしで買うという方法もありますが、株のリスクが組み合わさりますから、円安だけをヘッジすることはできません。ということは、いったいどうしたらいいのでしょうね。とりあえず私は円安リスクヘッジはあまり考えないことにします。

マネックス・ビーンズ証券でアジアフォーカスという新しいファンドが発売されまして、先日その説明会に行ってきました。アジアフォーカスでは、オルタナティブという難しい投資手法を使って高いリターンを上げるらしいです。説明会で概要程度はわかったつもりですが、完全に理解したかといわれると自信がないです。それだけ、アジアフォーカスは投資手法もファンドの仕組みも相当に複雑なようです。これだけ複雑でよくわからないものは、マイルールの「仕組みのわからないものに投資しない」を適用して買わないことにします。もちろん、買わない最大の理由は最低投資金額の50万円が用意できないからですけど(^^)。

オルタナティブというのは伝統的な株や債権への投資とは違う、現代的な投資手法の総称らしいです。そのいくつかの仕組みを説明してもらいましたけど、これってどうなんでしょうね。もっともらしい説明で、どんな市場環境でも利益を上げられると説明されましたけど、読みが外れたら損するんですよね?私は馬鹿なんで物事を単純にしか考えられないんですけど、市場から利益を得る方法は根本的には二つしかないはずです。ひとつは市場自体の成長を享受すること。もうひとつは他人が損した金を拾うこと。市場の成長からの享受を受けるのはいわばインデックス投資なわけで、それ以外の手法は基本的には他人の損を当てにするって事ですよね。別に他人を損させて自分が儲けてもルールに則っている限り悪いこととは思いませんが、この方法で利益を上げるには他人よりも投資が上手でないといけないはずです。つまり、腕の良し悪しがモロに出る、と。

ぶっちゃけた話、まだ設定されたばかりのファンドの腕をそこまで信じて投資する気にはなれないです。数年経って十分な成績を上げていて、自分にも50万円以上の余裕資金があったら、そのときはじめてアジアフォーカスを購入するかどうか考えたいと思います。