マンション談義

我が家では2001年12月に分譲マンションを購入しました。マンションを買うにあたって調べたり考えた事、また実際に住んでみて思う事をまとめてみました。

マンション管理:管理組合と管理会社

[2003年06月09日(月)]

意外と管理組合と管理会社の違いを理解していないマンション住民って多いそうです。実際、自分もマンションを買うまではきちんと理解していませんでした。そこで、自分なりに改めて両者の解説とよくあるらしい勘違いを説明してみます。

管理組合は、区分所有法に従って区分所有者全員で自動的に結成される団体です。区分所有者である限り脱退することは出来ませんし、マンションが存在する限り管理組合を解散することは出来ません。「めんどくさいから管理組合には加入していない」とか「うちのマンションには管理組合は無い」なんてことは有り得ないという事です。

管理組合はマンションを管理する役割があります。しかし、区分所有者が必ずしもマンション管理の専門知識を持っているわけではありませんし、管理業務を交代で行えるほど時間の余裕があるわけではありません。そこで管理業務を外部に委託するのが管理会社なのです。管理会社と管理組合理事会は共同でマンション管理に当っていますが、管理会社は管理組合員ではありませんし、理事長は管理会社の社員でもありません。両者は協力関係にあるとはいえ、基本的に別個の存在です。

管理費や修繕積立金を滞納する人が居ます。収入が減って生活に困ってと言うのなら同情の余地はありますが(だからと言って滞納して良いわけではない)、払うのがもったいないとか管理組合に入ってないからとか(それ自体が勘違いなのですが)の理由で払わないのは理由になっていない。掲示板で見かけた例では「管理会社が気に食わないから嫌がらせで管理費を滞納している」なんて人が居ましたが、筋違いも甚だしいし、管理費を滞納しても管理会社にとってはなんの痛手にもなりません。管理費も修繕積立金も、管理会社ではなく理事会でもなく管理組合の資産です。言い換えれば区分所有者つまりは自分のお金なわけです。そう考えれば、滞納するのは間違っていると分かるでしょう。それに、管理費や修繕積立金の使い方も、自分のお金なんだからもっと気にしてもいいですよね。

マンション管理:新築マンションの管理

[2003年06月09日(月)]

「マンションは管理を買え」とはよく言われる言葉です。実際、どんな立派なマンションでも管理が悪ければスラム化しますし、立地や設備が悪くても管理がいいマンションは欠点を補うような管理活動が出来て住みよくなると思います。しかし、その良い管理と言うのは実際に居住が始まって管理組合活動が始まってから決まることで、新築マンションの場合は管理の良し悪しは不明です。もの凄くやる気のある人は、どんな困難にも立ち向かって自分で良い管理を実現するという方法が取れるでしょうが、大多数の人はそこまでの労力も能力も無いでしょう。(個々人が良い管理を実現するためにできる範囲で努力するのは大切ですが)。では新築マンションでは良い管理をどうやって見分ければいいのか。私なりに調べたり考えた、新築マンションで管理の良し悪しをある程度判断する項目を挙げてみました。この項目が絶対と言うわけではありませんので、その点は差し引いてご覧ください。

住戸タイプが統一されていること
管理組合は区分所有者の集まりです。そこではできるだけ近い考え方の人が集まっていた方が、意思決定がスムーズに行くでしょう。個々人の考え方そのものはいろいろあっても、家庭環境や経済状況は近しい方が、考え方も近くなる可能性が高いです。その為には、ファミリー向けから単身者向けまで多数の住戸タイプを取り揃えているよりは、似たような住戸タイプのみである方が望ましいと思います。
駐輪上、駐車場が充分に用意されていること
「マンションは管理を買え」の言葉に必ず続いているのが「管理の良し悪しは駐輪場とゴミ捨て場のマナーを見ろ」となっています。駐輪場とゴミ出しだけで管理の良し悪しは判断するのもどうかと思いますが、多くの管理組合で問題になっているのが駐輪場、駐車場の問題でもあるようです。ここで注意しなければいけないのは、住戸に対して何%の駐輪上、駐車場があれば十分とは一概に言えないこと。都心の駅近マンションなら自家用車を所有する人は少ないでしょうから駐車場は少なくても構わないでしょうが、郊外のマンションなら100%でも足りないでしょう。丘の上のマンションなら自転車に乗る人は少ないと思いますし、ファミリータイプなら子供の数だけ自転車が存在します。
ペット飼育可であること
マンションでペットを飼うことの是非はとりあえず置いておきます。ちなみにペット飼育不可のマンションでペットを飼うと、法律的にどうあがいても勝てません。実際、最高裁でもペット禁止のマンションでペットを飼う方が悪いという判例が出ています。しかし、どんなに禁止されていても、必ずマンションでペットを飼う人は居ます。そうした時の管理組合の紛糾を考えると、最初からペット飼育が許可されているマンションの方が、もめる確率が低くて良いと思います。ペットアレルギーなどでどうしてもペット不可のマンションに住みたい人にとっては理不尽だと思いますが、それが現実でしょう。
非分譲住戸がたくさん無いこと
元々土地を持っていた人が土地を売却せずに、出来上がったマンションのいくつかの部屋を等価交換で貰うという方法があります。管理組合での投票権は基本的に1戸1票(厳密には所有比率なんですが、実際には1戸1票で運用される事が多い)ですから、こうした元地主は他の住人に対して大きな発言権を持っていることになります。極端な話、半分以上の住戸を持っている元地主が居た場合は、その管理組合は元地主の独裁になってしまいます。元地主が必ずしも悪い管理をするとは限りませんが、良い管理をするとも限りません。全ては元地主の人柄に掛かってきてしまいまい、それはリスクが大きいと思います。
管理費、修繕積立金が極端に安く設定されていないこと
分譲会社がマンションを売りやすくするために、管理費や修繕積立金が安く設定されるのは今では当たり前になっています。分譲会社の言い分としては、分譲後の管理は管理組合が行うのだから、管理費や修繕積立金が安いと思うなら管理組合で値上げすればいいという事なのでしょうが、値上げしますといってそう簡単に管理組合で賛成が得られるとは思えません。多少安いくらいなら現状では仕方がありませんが、極端に安すぎると将来の管理組合の財政が破綻しかねませんので注意が必要です。管理費や修繕積立金が適切に設定されて分譲されるようになるのが一番いいのですが。
1階部分店舗が無いこと
郊外の大規模マンションなどで、マンション敷地から出るのだけでも一苦労なんてところだと、敷地内に店舗が入っていても仕方がないかもしれませんが、都心のマンションで1階部分だけ店舗になっていても、住民にとっては大した利便性はないでしょう。それに対してデメリットは、最初に挙げた「住戸タイプが統一されていること」に反します。店舗として所有する区分所有者と住戸として所有する区分所有者にとって利益が一致するとは限りませんから、もめる原因になりかねません。
共用設備が充実しすぎていないこと
特に大規模マンションやタワーマンションなどでスポーツジムやキッズルームなど共用設備の充実をうたったマンションがあります。中には最上階温泉付きなんてのもあります。これらの共用設備は1戸だけではコストが掛かってとても所有できない設備をマンションの共有とすることによって実現するものですから、そのことだけを取ってみれば生活の利便性を向上させて良いことになります。しかし、ある特定の共用設備が全ての住民にとって必要なものであるとは限りません。この場合住民と言うのは10年20年先の自分自身にも当てはまります。小さい子供の居る世帯にとってキッズルームは便利でしょうが、子供が成長すれば無用の長物です。自分が使わない設備の管理費も喜んで負担する住民ばかりだといいでしょうが、そうは考えない人が居ないとは限りません。個人的には、マンションに住戸として必要な設備(エレベータとか集合ポストとか)以外の共有設備は無いほうが望ましいんじゃないかと思います。あくまでも住まう為の施設なんですから、住まいとは関係の無い設備で客寄せを行っていると言えそうな最近のマンション業界の風潮は疑問に思えます。
戸数が極端に多くも少なくないこと
戸数が少ないと、ほんの一部の区分所有者が管理費や修繕積立金を滞納しただけで、予算執行に大きな影響が出てきます。もちろん滞納はあってはならない事ですが、人間が集まっているところいろんな人が出てきますから、ある程度避けられない問題ではあります。戸数が多いところでは、滞納による影響は相対的に低く出来るのですが、今度は人数が多すぎてコミュニケーションがとり切れず、管理組合の運営が難しくなります。複数棟からなるマンションだと、特定の棟で修繕が必要になった場合に他の棟の住民の賛同が得にくいなんて事も起こりそうです。もちろんそんな反対意見は管理組合としては合理的では無いのですが、そこまで区分所有法を理解出来ない区分所有者も居ないとも限りません。ちなみに戸数が少ないとコミュニケーションは取りやすくなるとは思います。個人的には両方のメリットデメリットが相殺される100戸程度が分譲マンションとして適性規模なのではないかと思います。

(2004/5/20追記)

ペットについて
ペット可が望ましいと書きましたが、実際にはペットの買い方にも千差万別があるようでして。例えば1匹しか飼えない規則なのに2匹以上買う人が出たり、小形動物のみ可なのに大型犬を飼う人がいたり。鳴き声による騒音や、抜け毛や臭いの問題もあるでしょうね。結局、ペット可であろうがなかろうが、そのマンションの規則をみんなが守るか、また管理組合が守らせる事ができるかどうか、という問題に帰結してしまうのではないかと思います。

マンション管理:管理の分離

[2003年06月13日(金)]

マンション管理の事をある程度勉強していて、管理活動には大きくわけて二つあるのではないかという話を知りました。

その一つは資産としての管理。不動産としての価値を維持し高めるための管理で、その為に管理組合の財産である管理費や修繕積立金の執行を行います。この管理は区分所有者のための管理です。

もう一つは住宅としての管理。ペット問題や駐輪上問題、騒音の問題などを折衝、解決します。この管理は住民のための管理です。

さて管理が二つに分かれると言っても、全ての住民が区分所有者であれば分けて管理する必要はありません。一つの管理組合で管理する事が出来ます。しかし、実際にはそうもいきません。そもそも最初から一部住戸が賃貸として設定されているかもしれません。分譲された住戸も、区分所有者の事情から賃貸に出されるかもしれません。投資用ワンルームマンションなどのように、そもそも区分所有者が居住しない事を前提としたものもあります。そうすると、区分所有者でありながら住民でないという人と、区分所有者ではないけれど住民であるという人が出てきます。

区分所有者にとっては資産としての管理は重要です。しかし、住民でなければ住民としての管理は他人事になってしまうでしょう。一方、区分所有者でない住民は住宅としての管理にいくら意見を言いたくても区分所有者ではないため、意見を言う事が出来ません。

このような場合、管理組合に区分所有者ではない住民も準組合員として参加させてはどうかと提言しているのを、とある本で読みました。私もそれが合理的な判断ではないかと思います。資産としての管理は区分所有者で、住宅としての管理は住民が行うのが、それぞれ当事者である事から妥当だと思います。本当に実現するには何かと問題はあるでしょうが、今後検討していかなければならない事ではないかと思います。

マンション管理:マンション管理士

[2003年06月13日(金)]

マンションの管理は管理組合が行います。しかし、マンションの住民だからといってマンション管理の専門知識があるとは限りませんし、その時間的余裕があるわけでもありません。そこで、大半のマンションでは管理会社と契約して、管理業務を外部委託します。

ここで、管理組合と管理会社が協力して良い管理が実現できれば理想ですが、そうとも限らないのが実情のようです。管理組合と管理会社ではマンション管理について圧倒的な知識の差があります。また、管理を通して利害関係が一致しているとも限りません。管理会社が管理の手を抜けばそれだけ利益が増大しますが、それは管理組合にとっては不利益です。しかし、管理組合に知識が無いために、管理会社の手抜きを見抜けないという可能性もあります。

こんな現状を解決するために、マンション管理適正化法という法律が用意され、その中の目玉としてマンション管理士という国家資格が誕生しました。マンション管理士は、管理会社とは独立して、良い管理を実現するために管理組合に協力する事になります。このマンション管理士という制度は良い制度だと思います。これまで、管理会社の好き放題に出来たという環境を変えた事に、大きな意義があると思います。自分自身もこの資格を取ってみたいと思いますし、出来る事ならマンション管理士として開業してより良いマンション管理を実現できるような活動が出来たら良いなとも思います。

しかし、マンション管理士が登場して、マンション管理士に任せておけば全て解決でしょうか。残念ながらそうはいかないと思います。相変わらず、管理費用を負担するのは管理組合ですし、良い管理を実現して利益を得るのは管理組合だけです。利害が一致しない管理会社が搾取していたのがこれまでとして、これからはマンション管理士が搾取するようになる事が有り得ないとは言えません。結局、良い管理を実現するためには、管理組合自身がマンション管理の知識を持つしかないわけで、私自身もその為に何か出来ないだろうかという事を思いながら、その第一歩としてこんな駄文を書いていたりします。

(追記)

上記で、まるでマンション管理士が役に立たなかったり、管理組合を食い物にするようにも読める文章を書いてしまっていますが、それは本意ではありません。ほとんど全てのマンション管理士は良い管理を実現するために誠心誠意努力されていると思いますし、管理会社にしても同様だと思います。ここで言いたかったのは、あくまでも管理組合として知識を持って自立する事が重要であるという事で、マンション管理士や管理会社を貶める意図はありません。誤解なきようにお願いいたします。

マンション管理:管理組合による周辺土地買収

[2004年05月20日(木)]

どこでだったか忘れましたが、管理組合で周辺の土地を購入し駐車場を増設したという記事を見た事があります。本当にそんな事が可能なのかどうか定かではありませんが、もし可能ならば、これは結構面白い可能性を秘めているように思います。

マンションの寿命は短くても30年はありますから、管理組合は10年20年という比較的長期でモノを考える事が可能です。土地は安いものではないでしょうが、20年くらい掛けて駐車場として運営すれば購入資金は充分にペイできるでしょう。都心のマンションなどで駐車場不足で悩んでいるマンションの場合、駐車場を増やす事は大きなメリットだと思います。

そして、管理組合による土地購入の最大のメリットは建て替えの時に生かされると思います。最近行われている築30年以上のマンションでは、戸数を増やして建て替えし、増えた住戸を分譲して建て替え資金をまかなう事があります。ところが、最近建てられるマンションでは既に建蔽率が一杯ですから、建て替え時に住戸を増やす事はほとんど望めません。そうした時に周辺の土地を買収していれば、マンションの敷地は当初のものよりも広くなっています。すなわち住戸を増やす事が出来るのです。

建て替えを諦めた場合にでも、敷地を広げておく事はメリットになる可能性があります。基本的に土地というものは細切れになっている程価値が低くなります。逆にいえば広い敷地がまとまっている方が価値が高くなります。広いほうが利用度が高くなりますから、あたりまえですね。数十年掛けてマンションで周辺の土地を少しずつ買い集めて敷地を取りまとめておくと、建物を壊して土地を売却するときに高く売れるようになるかもしれません。言葉を悪く言えば、時間を掛けた地上げという事になります。

管理組合活動というと、何か問題が起こったときにどう対処しようかという守りの管理がどうしても主体になってしまうかと思います。それはもちろん大切な事なんですが、周辺の土地買収を行うなど、管理組合自体がビジョンを持って積極的な活動を行う、言わば攻めの管理ができるようになると、面白いんじゃないかと思います。

ところで管理組合で土地を購入すると、実際にはどういう処理が必要なんでしょうね。人格を持たない管理組合では直接土地を所有できないでしょうから、区分所有者全員で区分登記するんでしょうか。ちょっと現実的ではないですね。NPO法人化した管理組合なら、こういった問題も起きないのかもしれません。

マンション管理:敷地の通り抜け

[2004年05月20日(木)]

かなり小規模なマンションでも、その敷地は一般家屋に比べればはるかに大きいです。となると、そのマンションの敷地を近道として通り抜けに使用する人が出てくる事があるでしょう。駐車場などは、近所の子供の格好の遊び場になるかもしれません。

マンションの敷地は私有地ですから、マンションの住人以外が立ち入るのは厳密に言えば不法侵入ということになると思います。もっとも、近所の人の近道や子供の遊びなど、警察に言ったところで相手にしてもらえないでしょうけれど。

住人以外の人が敷地を通る事による問題点は、「不特定多数の立ち入りによる防犯性能の低下」「敷地内での事故の発生」「覗き見によるプライバシー侵害」などが考えられるでしょうか。いずれも問題ではあるものの、さりとて緊急の課題というわけでもありませんから、どうしても対策も後回しになりがちなのかもしれませんね。

敷地への立ち入りを防ぐには、24時間体制で出入り口にガードマンでも立たせれば可能かもしれませんが、コスト面で現実的ではありませんね。また、マンションといえでも地域の一員なわけですから、地域住民と対決姿勢を取るのも良い方法とは思えません。

ではどうするのがいいか、というといい案が思い付きません。なんか見つけたら、続きを書きます。

マンション管理:代理人の制限

[2004年08月01日(日)]

マンション標準管理規約(単塔型)を眺めていて、気になった条文がありました。それは、第46条(議決権)第5項で、「組合員が代理人により議決権を行使しようとする場合において、その代理人は、その組合員と同居する者若しくはその組合員の住戸を借り受けた者、又は他の組合員若しくはその組合員と同居する者でなければならない。」とあります。代理人を任命するのは区分所有者の権利だと思うので、管理規約でその代理人の資格を制限するのは問題があるんじゃないなぁ、と思ったのでした。

調べてみると、やはり私と同じような疑問を持った方は居られるようで、とある掲示板でそれに関するやりとりがありました。完全な回答ではなく、株式会社の株主総会に関する判例をひいて、おそらく同じように解釈できるのではないだろうかという結論のようでした。

で、その判例によれば、要するに総会屋のような議事進行を乱す人を排除するために、代理人に制限を加える事は認められるという事でした。なるほど、そういうものなんですね。

マンション管理:役員への報酬

[2004年08月01日(日)]

管理組合は主に理事会によって運営されますが、この理事会活動って結構大変ですよね。理事会に出席するだけでも大変ですが、それ以外にも理事長や会計理事になると普段から必要書類に目を通したり整理しておかなければなりませんから、時間的負担は相当なものになります。その負担に報いようと、理事に管理組合から報酬を出しているところもあるそうです。

しかし、これってどうなんでしょうね。管理組合として支払える金額はそれほど多額ではないと思います。実際、聞いた範囲でもせいぜいが数万円程度でしょうか。大の大人を1年か2年拘束して働かせた報酬がこれだけでは、とても正当な報酬とは言えないと思います。少なくとも、職業としてやれと言われたらその報酬で受ける人は誰もいないでしょう。また、役員って責任も重いです。人が集まれば当然意見が割れる事もあるわけで、極端な話反対派住民から訴訟を起こされる可能性だってないわけではありません。会社で言えば取締役並みの責任を負わされるのに、その報酬が数万円では正直やってられません。

理事会役員の負担と責任に応じた正当な報酬を払おうと思ったら、相当な額になるという事ですよね。しかし、そんな多額なお金を管理組合で支払えるとは思えない。だったら、無償とした方がまだマシではないかなぁ、と思います。あ、でも理事会への出席率が低い場合に、出席率を高めるための道具としては使えるかもしれませんね、少額の報酬も。

マンション管理:監査

[2004年08月01日(日)]

決算書や予算書を見てみれば分かりますが、管理組合って結構な金額を取り扱っています。小さなマンションでも年間数百万、大規模マンションになれば数千万以上の予算規模でしょう。大規模修繕工事ともなれば数千万から数億の金額が動く大事業になります。また、マンションというのは100人から1000人以上の人が住まう設備です。管理組合の活動にはそれだけの人の生活が関わっています。予算規模や影響を受ける人数を考えると、管理組合の活動というのはそこらの中小企業の経営なんかよりもよっぽど大きな影響を持っている大事業ではないかと思います。

ところが、この大事業を執行する理事会役員というのは、建築にもマンションにも全く詳しいとは限らない、ただ単に当番が回ってきただけの区分所有者です。素人が分けのわからないままに大事業を執行しているわけです。これって、どこのマンションでも当たり前に行われている事ですが、落ち着いて考えてみると物凄い危険性をはらんでいないですかね。

まあ、それでも区分所有者はマンションに所有権を持っているわけですから、自分達の持ち物を自分達自身で好きなようにやるというのは、一応スジが通ってはいます。では監査はどうでしょう。管理組合活動が適正に行われいるかどうかを監査するために監事がいますが、これまたマンションにも建築にも詳しいとは限らない区分所有者です。これで本当に正当な監査ができるのか、数百人の区分所有者に対する公平性公共性を確保できるのかというと、普通に考えると出来ない確率の方が高いんじゃないかと思ってしまうのは、間違ってますかね。

そこで考えたんですが、マンションに外部監査を導入するのはどうでしょう。専門知識を持ち、またマンション内部の利害関係と独立した立場からの監査を受ける事が出来れば、かなりいいんじゃないかと思います。問題は監査費用ですけれど、予算規模から考えると当然に負担すべき費用だと私は思います。

マンション管理士が生まれて、理事会活動に外部の専門家を参加させようという動きは出てきましたが、監査について同様の動きはまだ聞いた事がないように思います。マンション管理適正化法の次の改正時には外部監査の義務付け、なんて事になったらいいんじゃないかなぁ、と考えてみたり。

マンション管理:役員の資格

[2004年08月01日(日)]

これはあちこちのマンション管理に関する本やサイトに書かれていることですけれど。

国土交通省の作成しているマンション標準管理規約(単塔型)によると、役員の資格は第33条第2項「理事及び監事は、○○マンションに現に居住する組合員のうちから、総会で選任する」となっています。

まさか投資用マンションやリゾートマンションでもこの通りの資格制限はしないと思いますが(もしこの通りなら役員の有資格者はゼロになってしまう)、居住用のマンションでも多少の問題をはらんでいなくはない。

組合員は区分所有者に限られますから、例えば旦那さんが区分所有者だとしたら、その奥さんが代理で役員に就任する事は出来ないわけです。実際には、多くのマンションで区分所有者の配偶者や家族が役員を勤めておられると思いますので、この資格条項は改正しておかないとまずい事になりかねません。

ちなみにどこまで範囲を広げるかですが、配偶者、親子、兄弟姉妹までとして「区分所有者もしくは区分所有者と同居する配偶者又は2親等以内の親族」とでもするのが妥当じゃないでしょうかと、個人的に思います。

あと、居住を条件にするかどうかは意見が分かれるような気がします。遠方に居住して賃貸に出しているとするならば、実際には理事会に出席できないわけですから資格がなくても仕方がありませんね。でも、隣のマンションに住んでいても、居住していないので資格を失うというのは納得がいかないようにも思います。遠方で理事会に出席できないのを理由にするならば、総会で選出時に判断すれば足りる事です。非居住者を役員の資格なしとする根拠はどのあたりにあるんでしょうね。

マンション管理:電気代の節約

[2004年10月20日(水)]

管理費の節約と言えばエレベータメンテナンスをPOGに、という一点張りが長らく続いていたように思いますが、最近これとは別の話を聞きつけました。それは、電気代の節約です。

私が最初に知ったのはAll About Japanの実録!電気代ダイエットの裏技という記事でした。ここではなんと電力会社自身が電気代節約の相談に乗ってくれるそうです。内容は、実際の電気使用量を基にして、出来るだけ安くなる契約方法を提案してくれるというものです。そういえば電話会社などではよくあるケースですね。

実際、マンションというのは結構電気代が掛かるものですから、これが節約できるとなると大変いい事だと思います。

また、これを機会に電気代節約について調べてみたところ、なんと電気代節約コンサルタントというのがあるそうです。実際に利用した事はないので具体的なサービスについてはウェブの説明でしか分かりませんが、基本的には電力会社の提案と同じように契約方法を最適なものに変更して節約するようです。ただ、その節約幅が凄くて、電力会社の提案では数パーセント程度のようなのに、これらのコンサルタントの場合は10パーセント20パーセントは当たり前といった感じです。まさか誇大広告という事はないとは思いますが、ではこれが本当だとしたら今まで払っていた電気代はいったいなんだったんでしょうね。

これらのコンサルタントの場合、実際に節約できた電気代の何割かを支払う成功報酬との事なので、依頼したところでマンションにデメリットはなさそうです。ならば、試しに依頼してみるのもアリかもしれませんね。

ただ、気になるのはこれらのコンサルタントの中には節電の為の機材を購入させるところもあるようです。この機材が実際になんなのかはよくわからないのですが、以前家庭用の電気を節電すると称して単なる変圧器を売りつけて摘発された詐欺商法がありましたから、それとの関連が少し気になるところではあります。

マンション管理:コミュニティ作りが一番大事?

[2005年08月21日(日)]

マンションを買って、多少なりともマンション管理について勉強しました。今はマンション管理に関する書籍や雑誌がたくさんあり、また法律整備などでマンション管理をとりまく環境もずいぶんとよくなってきているようです。雑誌などでは一念発起した理事長さんが改革に乗り出し、傾きかけていた管理組合を立て直した成功談などであふれています。その体験談も手法も惜しげもなく公開されています。やる気にさえなれば、マンション管理をよりよくする事は誰にでも出来るようになったと言えるでしょう。

ただ、ここでふと疑問に思うのです。やる気のある人が理事長に就任して立派なマンション管理を行う。一見いいことの様ですが、それでいいんでしょうか。マンション管理は最終的には総会決議で決定しなければいけない直接民主主義制になっています。いくら理事長が立派なことを考えても、総会で賛成が得られなければ、何にもなりません。もし賛成が得られなくてもごり押しで進めるような理事長であれば、それはもう独裁者と呼ぶしかないでしょう。いくら立派な管理内容でも、褒められたものではないように思います。

結局、一番大事なのは組合員みんなが管理に参加するという姿勢ではないかと思います。そして、それを実現するためには、住民同士のコミュニティがしっかりと構築されていなければならないのだと思います。逆に言えば、コミュニティさえしっかりしていれば、何か問題が起きてもスムーズに解決できるのではないかと思います。

マンション管理と言うと、どちらかというと「○○したら管理費が安くなった」「工事の見積もりでは××に注意せよ」といった技術論が先行し勝ちのように思えます。もちろん、それも大事な事なんですが、まずは住民ありきというのがマンション管理の根幹なのかなぁ、と最近思います。

マンション管理:いい管理に関わるのは自分自身

[2005年08月31日(水)]

マンションは管理が大事というのはよく言われている事で、私もこのサイトでいくつかそれに沿った意見を書いてきました。しかし、振り返ってみるとそこで言われていることは「管理の良いマンションの見分け方」が多かったような気がします。確かに、管理に問題のあるマンションよりは、問題が無いか少ないマンションに住みたいというのは誰しも思うことでしょう。しかし、そのマンションを買ってしまえば、管理に関わるのは自分自身であるという視点が抜け落ちているような気がします。極端な話、良好な管理の行われているマンションを購入した人が傍若無人に振舞ったことによって、管理が悪化してしまうという事もあり得るわけです。逆に、劣悪な管理状態のマンションを改革して快適にすることもあり得ます。つまり、マンション管理は理事会も管理会社も大事ですが、居住者自身も同じように大事な役割を担っているという事です。

いきなり居住者自身が大事と言っても、具体的な話がないと絵に描いた餅になってしまいます。そこで、とりあえず私が思いついた良い居住者の条件を挙げてみたいと思います。本当は、こういう話とか管理自体の話などを住宅情報誌などで取り上げて購入予備軍の人にも知ってもらえるといいんですが、そんなことを書いても雑誌が売れないんでしょうかね。また、ちまたにはマンション管理に関する情報がたくさんありますが、そのほとんどは理事長向けです。実際、組合員としてはどういうことを心がければいいのかといった情報はあまり見かけません。今後は組合員向けの情報も増えるといいですね。

管理の仕組みを知る
管理組合と管理会社の関係を正しく知るという事はやはりすべての基本になる大事なことだと思います。いまだに分譲会社が管理していると思っている人とかいて、頭を抱えます。
管理規約、使用細則に目を通す
結構読んでない人が多いんじゃないでしょうか。管理規約は結構硬い文章で書かれているんで、読みにくいですしね。でも斜め読みでも目を通しておくのはいいことだと思います。使用細則は駐車場やバルコニーなどの細かな使用方法が書かれています。どっちかというと、日常的にはこちらの方が大事かもしれません。こっちは平易な文章だと思いますので、ちゃんとすみまで目を通した方がいいですね。そして、大事な事は読むだけじゃなくて、そこに書かれている事をちゃんと守るということです。
役員になったら活動に参加する
自分から役員をやりたがる人はあまりいないでしょうから、大抵は当番で回ってくると思います。そうした時に忙しいからとか(忙しいのはみんな一緒です)、他の人がやってくれるからとか言わずに、ちゃんと理事会に出席して、担当の作業を行う事です。ここをいい加減にやっていると、悪徳管理会社に食い物にされるなんて事もあり得ないわけではないんです。
総会に出席する
役員に選ばれてないときは何もしないでいいわけではありません。年に一度は総会があるわけですから、やはり出席しましょう。特に意見が無くても議案に反対でなくても、ただ賛成に挙手するだけであっても、出席するのが望ましいです。委任状ばかりで誰も出席しない総会では役員も張り合いがないです。それに、総会というのは数少ない住民同士のコミュニケーションの場ですし。それでもどうしても都合が悪くて出席できない場合は、最低限委任状は出しましょう。それすら出来ないのは、組合員としての義務を果たしていません。
コミュニティに参加する
本当はマンション内で交流イベントがあって積極的に参加する事なんですが、そうもいかない場合、せめて廊下やエレベータですれ違ったときに挨拶くらいはしましょう。まったく見知らずに集まってきた人たちですけれど、今は同じマンションを購入した仲間なんですから。
管理費、修繕積立金は滞納しない
なんだかとっても低レベルな話のようですが、でも実際どの管理組合でも滞納はあって困っているそうです。 分譲マンションを買ったということは、ちゃんとした職業についているかそれなりの資産を持っているはずです。また、子供というわけではなく、ちゃんとした社会人のはずです。そんな立派な社会人なんですから、決められたお金くらい滞納せずに払いましょう。

マンション管理:分譲会社によるコミュニティ作りはどうか

[2005年09月08日(木)]

マンションは分譲会社が販売します。当然に誰に売るかを決めるのは分譲会社です。どんな年齢、家族構成、職業の方を選ぶかは、分譲会社しか決める権利はありません。分譲会社もまさかヤクザには売らないとは思いますが、いかにもトラブルを起こしそうな人(具体例が思いつきませんが)でも、お金さえ払ってくれればお客様だとばかりに売ってしまうかもしれません。しかし、そうして販売されたマンションに住む人はひとつの管理組合を作って暮らさなければなりません。そして、そのメンバーを決めた分譲会社は管理組合には関わってきません。よくよく考えると、なんかおかしくないですか?

これは、生活やマンション管理という問題と、不動産売買という事象が無関係なまま絡まってしまっているのが問題です。かといって生活が大事だからと分譲会社の商売を曲げてしまっていいかというと、それも難しいでしょう。だいたい何をもって好ましい居住者というのかも難しい問題ですし、それを分譲会社が選別する事は不当差別で社会問題となりかねません。でも例えば「当マンションは20代の方だけに販売します」なんてのがあったら、面白いかもしれませんけどね。

どんな人を選ぶかは分譲会社に任せるしかないにしても、実際に住まう人がまったく知らない同士というのは、管理上では難しい面があります。だからマンション管理の本でもコミュニティ作りが大事と書いてあったりするのですが、実際にコミュニティ作りを始めるのは住み始めてからです。でも管理は竣工したその日から始まるのに?

そこでですが、住民同士の親睦の機会を設けるってのはどうでしょうかね。新築マンションの分譲の場合、購入者が集まる機会は何度かあります。オプション説明会だとか駐車場の抽選会とかね。そういったせっかく多くの住民予定者が集まる機会があるわけですから、その後に希望者だけででも親睦会とか開いたらどうなんでしょうね。それだけで簡単に打ち解けるわけではないですが、何もしないよりは違うでしょう。分譲会社にとっては、たいしたコストになるわけではないと思うのですが。

マンション管理:管理費の資本金

[2005年09月21日(水)]

大抵の新築マンションでは、最初の契約時に修繕積立基金としてそれなりの金額を一括して集めます。しかし、当たり前ですが、建ったばかりのマンションで修繕は発生しません。せっかく積み立てた修繕積立金も、最初の数年は出番がありません。

一方で、管理費は違います。管理費は修繕積立金のように最初に一括してお金を集めることはせず、毎月の集金のみです。しかし、管理では竣工したその日からどんどん費用が発生します。電気代も、小物の購入費も、管理会社への支払いも、待ったが効きません。なのに、その支払いに当てる管理費は月末にならないと集まってこないのです。月初に集めるとしたところで、支払い額は毎月一定というわけではなく、特に竣工直後はお金が多く必要になってきます。

結果として、管理費が一時的にマイナスになってしまう可能性が非常に高いわけです。というか、大抵の新築マンションでは竣工直後のキャッシュフローはマイナスでしょう。管理費が赤字になった場合、その補填は誰がしてくれるのかというと誰もしてくれません。足りないお金は、仕方なく修繕積立金から一時的に借りたり、取り崩したりして対応している管理組合がほとんどだと思います。総会決議して取り崩しているのならともかく、日常的に一時借りなんて事を行っていたら、何のために管理費と修繕積立金を別会計にしているのか分かりません。でも、多くの新築マンションでこういう事が行われていると思われます。

どうしてこういう事が起こるのでしょうか。それは、マンション管理費に運転資金という概念がないからです。普通、どんな会社でも運転資金というのは必ず用意します。1円企業でもそうです。そうしないと、1円でも支払いが足りなければたちまち会社が潰れてしまうからです。

管理組合は倒産するわけではありませんが、それでも修繕積立金の流用は問題です。管理費の問題は管理費だけで解決すべきです。解決のためには、修繕積立基金のように、管理費も分譲時の一時金を徴収すればいいのではないでしょうか。

なお、これはあくまでもキャッシュフローが赤字の場合の話です。決算が赤字の場合は、管理費の使途と徴収を見直さないといけません。

マンション管理:修繕積立金の負担割合

[2005年10月15日(土)]

負担割合と言っても住戸間のではありません。特定住戸の時間軸での負担割合の事です。

新築から50年間居住されて解体されるマンションがあったとします。住戸あたり、新築時から建物解体まででトータル1000万円の修繕費用が掛かったとします。この住戸がずっと一人のオーナーだった場合には負担割合は気にする必要はありません。お金の出所はひとつですから。では、築20年目の時点で転売されたらどうでしょう。最初の20年とあとの30年でオーナーが違うわけです。このとき、修繕費用の負担はどうなるのが適当なのでしょうか。単純に期間で割れば400万円と600万円ということになりますが、それで妥当なんでしょうか。

実際の修繕工事は築年数が経過した方が費用が掛かりますから、単純に所有年数に比例させるのはおかしいような気がします。積立金は一切なくして、修繕工事を実施した時にその時点でのオーナーに費用を負担させると言う考え方は非常にシンプルで分かりやすいですが、修繕の原因となるマンションの劣化は日々少しずつ起こっているわけですからやはり不公平であるとは思います。個人的には、年数が経過するに従って負担割合を大きくしていくのが望ましいとは思いますが、ではどれくらいの割合で増やしていくのがいいのかというと難しいです。

現実には、毎月積み立てる修繕積立金は年々少しずつ増えるようになっていますから、築年数が経過してからのオーナーの方が負担割合は大きくなります。しかし、多くのマンションでは大規模修繕工事の実施時には一時金を徴収しますから、負担割合は単調増加するわけではありません。極端な話、大規模修繕工事が行われる1年だけ所有したオーナーがいた場合、とても所有期間に応じたとは言えない過大な負担をすることになります。

もちろん、負担割合を完全に公平にすることは不可能です。例に挙げた修繕費用がトータル1000万円というのも、マンションが解体された後になって初めて分かる金額です。それを居住している時に知る方法はありません。

また、負担割合の不公平は転売時の価格に反映させることによって解消される可能性もあります。過大に負担された状態の住戸であれば、購入後の修繕費用負担が軽くて済むわけで、その分転売価格が高くなるという考え方です。中古自動車の売買で車検前後で価格が変わるようなものです。そうであればいいんですが、実際の中古マンション市場で修繕費用の負担状況が考慮されているとはとても思えません。逆に言えば、修繕積立金の負担状況をうまく使えば、実質的に割安で中古マンションを購入できるという事でもありますが。

完全に不公平を無くすことは出来ませんが、一時金は不公平を増大させているのは間違いないと思います。出来れば、一時金は全廃して積立金のみで修繕費用をまかなうのが良いと思います。ただし、新築時の積立基金だけは難しいところです。この一時金を徴収しないとマンションの初期には修繕費用がほとんど無いことになります。ほとんどの場合はそれでも問題ないでしょうが、築浅の時期に修繕工事がどうしても必要となったときに困ることになりそうです。

ところで話は少し変わりますが、最近株式市場では過大な利益を留保している企業の株を購入して、株主総会で増配を迫る株主と言うのが話題になっています。これと似た構図で、修繕積立金が過大にあるマンションを購入して分配を要求するなんて事をすれば、もしかしたら大儲け出来るのかもしれません(^^)。マンションの場合、修繕積立金を分配できるのは実際には解体されて管理組合が解散するときくらいでしょうから、現時点では積立金が過大なマンションはまずあり得ないとは思いますけれど。将来的には使える手かもしれませんよ。

マンション管理:駐車場利用料ゼロ円のマンションはお得か

[2006年06月22日(木)]

マンションの折り込みチラシを見ていると、たまに「駐車場利用料無料」をうたったマンションを見かけます。ものの値段は安いに越したことはないのですが、なかには「ただより高いものは無い」というものもあります。そして、マンションの駐車場利用料については後者である可能性が非常に高いです。

駐車場利用料が無料になって一番最初に影響を受けるのは管理組合会計です。多くのマンションで駐車場利用料は大きな収入源ですから、それがゼロということは、その分管理費か修繕積立金が高くしなければなりません。もしこれらの費用が他のマンション並みであったとしたら、管理費会計が赤字運営になることを見込まれているか、高額の大規模修繕工事時の一時金が予定されているかです。そのいずれでもないとしたら、管理仕様が削られているかですね。いずれにしても、入ってくるお金が少なくなっているわけですから、どこかに必ずしわ寄せがきます。

通常の月極駐車場の場合、大家と店子は別々の人です。駐車場利用料がゼロ円だと店子は得しますが、大家は損です。しかし、マンションの駐車場の場合は大家も店子も区分所有者自身なんです。駐車場利用料がゼロ円だと店子の立場としては得ですが、大家としての立場では損です。

とはいえ各戸の負担の問題はまだ軽いです。結局は、駐車場利用料という名目が他の名目に変わって区分所有者から徴収されるわけですから。問題はその負担に駐車場を利用する区分所有者と利用しない区分所有者で不公平感が出ることではないかと思います。つまり、駐車場を利用する区分所有者は割安にマンションの共有部分を利用できる事になるわけです。そして、この不公平感は区分所有者の間に感情的な溝を作って、管理組合運営に支障をきたす可能性も考えられます。もちろん何もかも完全に負担を公平にする事はできませんが、わざわざ不公平を助長する必要はありません。

また、駐車場利用の効率化を妨げる可能性もあります。利用料がゼロ円ですと、たとえ車に乗らなくなったとしても、駐車場を返さない人も出てくるでしょう。すると、駐車場の利用待ちの区分所有者はいつまで経っても駐車場が利用できません。これは全戸分の駐車場が確保されていても変わりません。一住戸で2台分以上の駐車場を利用したい場合もあるからです。

自分が車を利用しなくなったら、自分の分の駐車場を又貸しして小遣い稼ぎをする人も現れるかもしれません。いくら規約で禁止したところで、知人などにこっそり又貸しされたら、まず分かりません。これを防ぐには毎年車検証の写しを提出させて、管理人がナンバーを照合するしかないですね。また、この場合はマンション外の人間が常時マンション内に立ち入るようになるという事で、治安の問題もあります。

結局、マンションの駐車場利用料がゼロ円というのは、管理上に様々な問題を引き起こす可能性が高いと思います。少なくとも私がマンションを選ぶときには、そういう物件は避けるようにするでしょう。唯一問題が無いと考えられるのは郊外などで土地代がタダ同然に安くて住戸の数倍くらいの駐車場が確保されている場合でしょうか。でも、そんな土地柄では土地の利用効率を上げるための建物であるマンションは建築されないでしょう。

ここで挙げた問題は、駐車場利用料がゼロ円の場合に限りません。有料であっても、周辺の月極駐車場の利用相場に比べて割安な場合には同様な問題が発生する可能性があります。また、周辺相場と同程度の利用料だったとしても、駐車場を利用する区分所有者と利用しない区分所有者の間での不公平感は払拭されるわけではありません。これはマンション内の共用部分に駐車場がある限り解決されないと思います。いっその事、駐車場も個々に分譲してしまうか、マンション内には駐車場を設けず隣接する土地にマンション住民のみが利用可能な月極駐車場を分譲業者が設置するしか方法がないのかもしれません。前者は既存のマンションでは登記変更などで莫大な手間がかかりますが、後者は比較的簡単に実現出来ます。マンションの駐車場をまとめて分譲会社(管理会社でも可)に貸し出し、分譲会社がそこで月極駐車場を運営するというわけです。

最近はあまり聞きませんが、少し前までは古くからある団地で周辺の道路が違法駐車の車で埋め尽くされて社会問題になっていました。マンションにとって、駐車場というのは根の深い問題なのだと思います。

マンション管理:マンション検定っていいかも

[2007年07月22日(日)]

マンションを購入するにあたっていろいろ調べていた時期に平賀功一さんという方を知りました。マンションデベロッパなどから独立した立場で、マンション購入や管理に関するコンサルティングをされていて、マンションに関するコラムなども多数執筆されています。私も、メルマガを始めとしてコラムをいつも読んで勉強させていただいています。

その平賀さんの最近のコラムの中にマンション検定という企画があります。マンション管理に関する資格としては言わずと知れたマンション管理士がありますが、これは国家資格であるうえに対象がマンション管理の支援を業として行う人になっていますので、そう簡単な資格ではありません。少なくとも分譲マンションに住まう人全員が取得できるレベルであるかというと絶対にそんなことはありません。

ではマンションに住まうにあたってマンション管理の知識が全く必要ないかというともちろんそんなことはありません。ということで、マンション管理士ほどの難易度ではなく、マンション管理組合の役員や区分所有者レベルで必須程度の知識をはかる資格としてマンション検定が本当にあるといいんじゃないかなと思いました。もちろん知識があるのが本来の目的ですんで資格化が必須という訳ではないんですが、資格があると客観的な目安になりますし、勉強する側としても張り合いになるというメリットがありますからね。

マンション管理:住民参加率の向上案

[2007年09月27日(木)]

管理組合活動をしていて困ることのひとつに、住民の参加率が悪いということがあります。総会や理事会に出席しないとかも問題ですが、消防設備点検など住戸内に立ち入る必要があるときに不在で点検できないなどは本当に困ってしまいます。

住戸内に立ち入る点検等は週末に実施するというのはひとつの方法ではないかと思います。共働きで平日昼間は不在になるという家庭は今ではほんとに多いと思います。そうした家庭において、いくら必要なこととはいえ点検のために有給休暇をとって在宅するというのはなかなか難しいでしょう。とはいえ週末にすれば必ず在宅しているとも限りません。人によっては平日が休みという仕事もあるでしょうし。その辺の事情はマンションごとによって違うでしょうから、アンケートをとって希望の曜日を調べた上で、年によって曜日を変えるなどすればずっと点検できない住戸はかなり減らせるのではないかと思います。

また、その日はたまたま先約があったという場合もあるでしょう。これについてはスケジュールを出来るだけ前もって公表しておくことで、ある程度防げるのではないでしょうか。いっそのこと、1年分のイベントスケジュールを年度始めに全て決定して公表してしまうのもいいと思います。

点検などでは当然ですが業者に費用を払って行います。不在で点検できなかったからといって、その分値引いてもらえるわけでもありません。これは下世話な方法ですが、点検の案内時に総額いくらで1戸あたりいくらの費用が掛かっているかも掲示してはどうでしょう。特に1戸あたりの費用があると、不在にすることでその金額が無駄になることが明示されますので、効果が出ると思います。いっそのこと、点検後に不在戸数とそれによって無駄になった点検費用も公開すれば、ってそこまでやるとやり過ぎですかね。

マンション管理:駐車場は入札制で

[2007年09月27日(木)]

駐車場が余っているマンションは別として、不足している場合。空きの駐車場が出たらどのようにして駐車場を利用する世帯を決定しているでしょうか。大抵のマンションでは都度抽選にしていると思います。抽選ではいつになったら当たるかわからないので、申し込み順番制にしているところもあるでしょう。でも順番制の場合、あとから入居してきた世帯はいつまで経っても駐車場を利用できない見込みになってしまうので、まだ抽選制の方がいいんじゃないかなぁと個人的に思います。

一番いいのは利用したい世帯分だけ駐車場があることなんですが、実際には様々な制約でその実現は難しい。しかし、抽選制にしても順番制にしてもそれぞれ不満は大きい。そうした中で思いついたんですが、いっそ入札制にしてはどうでしょう。つまり、駐車場を利用した各世帯は自分が払ってもいいという金額を入札し、一番高い値段をつけた世帯が利用するという仕組みです。

この案だと一見金持ちが得をするだけに思えますが、実はそうではありません。それは周辺にある月極駐車場の存在があるからです。だいたい、マンション内の駐車場が利用できるかできないかに関わらず車を所有する世帯は所有しています。その上でマンション内の駐車場が利用できないとなると、周辺にある月極駐車場を利用するしかないわけです。となると、入札時につけられる値段は当然に月極駐車場の家賃+αに収まるはずです。+α分はマンション内にある利便性と更新料や消費税分ですね。つまり金持ちであろうが貧乏であろうが、結局は周辺の月極駐車場の相場料金に落ち着くわけです。言わば入札制にすることでマンション内駐車場の料金だけを周辺月極駐車場の市場に参加させるとも言えるわけです。

本来なら入札制なんて面倒なことをせずとも、マンション内駐車場の料金を周辺相場に合わせていればいいわけです。だいたい、マンション内駐車場が不足しているのは料金が周辺相場より安いマンションで、駐車場が余っているのは周辺相場より高いマンションなわけですから。しかし、実際にはマンション内駐車場の料金はそう簡単に変更することが出来ません。その料金変更を自動的に行うのが入札制というわけです。どうでしょう。この案、なかなかいいと思いませんか?

なお、入札制にすると隣の車と駐車料金が違ってくるという可能性も当然出てきます。もし隣のほうが安くてそれが不満でしたら一旦解約して再度入札に参加すればいいわけです。もっとも、必ずしも隣と同じ値段で落札できるとは限りませんけどね。

マンション管理:分譲業者による管理仕様策定の問題点

[2007年09月27日(木)]

新規分譲されるマンションの初期の管理仕様は分譲業者が作成します。が、これには構造的におかしな問題が含まれているように思います。それは、分譲業者は管理仕様に問題があってもその影響を受けないし責任も負わないからです。極端な話、管理費ゼロ円に設定して維持コストが安いマンションだとして売ってしまうことも出来ます。当然、管理組合会計は大赤字。でも、分譲業者にはその赤字は何の関係もありませんし、責任も負いません。いっそ分譲後何年間かの間に管理組合会計が赤字に陥った場合は分譲会社に補填させるような法律でも出来ればとも思いますが、なかなか難しいですかね。

一般には管理仕様策定にも国土交通省の指導が入ってますから極端にひどい仕様にはならないでしょう。それでもまだ問題はあります。それは管理仕様レベルの設定の問題。高いレベルの管理サービスを享受するのは当然にコストがかかります。本来、サービスの受益者自身が自分の希望する管理レベルに合わせて管理サービスを選択するべきなのですが、受益とも負担とも全く関係の無い分譲業者がその決定を行うわけです。管理組合自身で管理仕様を策定しようにも、管理組合自体が設立されるのは引渡し直後から。しかし管理は同じく引渡し直後から行わなければなりませんので間に合いません。引渡し前から管理組合活動を始めればいいという考え方もありますが、完売しているマンションならともかく売れ行きがいまいちよくない場合には簡単にはいきません。また、マンションは住居ですから、居住が始まる前には遠くに住んでいて組合活動に参加したくても出来ない人も多いでしょう。とりあえず分譲会社が策定した管理仕様でスタートして、その後管理組合自身で管理仕様を策定し直すのでもいいのですが、決まった管理仕様を変更するのはそう簡単なことではありません。

結局、これについてはいい改善のアイデアが浮かびません。購入者が、設備や間取りなどだけでなく、管理仕様についても適切であるかをよく検討した上で購入を決定するようになるしかないのでしょうかね。

マンション管理:マンション住民の世代構成

[2007年12月27日(木)]

マンションに限りませんが、一般に住宅を購入する世代にはある程度の偏りがあります。一つは30代の若い家族。もう一つは子育てが終わった60代の夫婦。もちろんそれ以外の家庭も住宅を購入するんですが、割合としてこの二者が高くなるのは自然の事でしょう。その結果、分譲マンションのように一斉に購入が行われるタイプの住宅では住民の世代構成が偏るということになるわけです。同じ事は新興住宅地などでも起こりえますね。

世代構成が偏った結果何がおこるかというと、いろいろ考えられます。たとえば共用設備のキッズルーム。竣工直後は活発に使われるでしょうが、10年くらい経てばマンション内に小さな子どもはほとんどいなくなって閑散としてしまうでしょう。

管理組合も大きな影響を受けることが考えられます。住民の世代構成が30代と60代に偏ると、当然に役員の世代構成もその年代に偏ります。ところが60代の人は10年経つと70代になりますから、人によっては病気や衰弱で管理組合活動に参加できなくなる人も出てくるでしょう。そうしたときに次世代となるのは30代だった40代の人のみ。この場合はまだ30代だった人たちがいるだけいいんですが、さらに30年経つとそうしたその人たち自身が70代になってしまう。そのとき、果たして次世代はいるのかどうか。実は現実にこうした問題は高度成長期に開発された新興住宅地で実際に起きています。子ども世代が育って代変わりしていればいいんですが、子どもは出ていってしまっていると老人しか住んでいなくて誰も管理できないなんて状態にもなりかねない。

昔からある街であれば、住民の世代もさまざまなので世代交代も緩やかに行われていくはずです。しかし、一斉に同世代が入居するマンションや新興住宅地では将来にこうした問題が起こり得るわけです。いい解決策は思いつきませんが、とりあえず問題として認識はしておいたほうがいいのではないかと思います。

マンション管理:マンション見学会はどうか

[2007年12月30日(日)]

見学会と言っても分譲時の話ではなく、竣工して引き渡し後の話です。

生活の場であり毎日過ごしているマンションと言っても、実際に毎日目にしているのはエントランスとエレベータホールと自宅のみというのが現実だと思います。しかし、マンションには他にも様々な設備があるわけです。

たとえば屋上。多くのマンションでは屋上は開放されていませんから、管理人さんに特別にお願いでもしない限り見たこともない人がほとんどでしょう。エレベータばかりを使っていれば階段がどのようになっているか知らない人もいるでしょう。給水ポンプだったり消化設備だったり。単純な話、多棟タイプのマンションだと自分が住んでいる以外の棟の様子もわかりませんよね。

こうしたマンション内の様々な設備を見学する機会を作って多くの住民に見てもらうと、マンション自体に興味を持ってもらえて、さらにはマンション管理にも興味を持ってもらうことにつながることが期待できるのではないかと思います。たとえば予算案に給水設備の補修費用なんてのがあったとして、議案の資料に文字が書かれてあるだけなのと、実際に給水ポンプを見たことがあるのとではリアリティが違ってきますよね。

マンション管理:管理費保証金制度はどうか

[2008年01月06日(日)]

管理費の滞納。あってはならない事ですが、現実には多くのマンションで発生していて管理組合の頭を痛めている問題です。そこで滞納を完全に解決するわけではありませんが、多少なりとも改善する方法として管理費の保証金を預かっておくという方法はどうでしょうか。

竣工して管理組合が結成されるときに、住戸ごとに管理費の何カ月分かを保証金として支払っておくわけです。保証金は住戸に帰属し、住戸が売買された場合にもそのまま継続して管理組合に預けられるものとします。管理組合はこの保証金を預り金として預かっておき、もし滞納があった場合には保証金を取り崩すというわけです。仕組みとしては、賃貸住宅における敷金に似ているとも言えます。家賃の滞納があった場合には敷金から充当しますよね。

ただ賃貸住宅との違いは、賃貸住宅の場合は家賃と滞納したら賃貸契約自体を解除できるのでそれ以上の滞納の発生は食い止めることが出来るのですが、管理組合の場合は滞納したからといって追い出せるわけではないということです。つまり、保証金を取り崩しきったあとに更に滞納されたらどうしようもないわけです。

それでも、滞納があった場合、最終的には管理組合は取り立てを諦めざるを得ません。そうしたときに保証金で多少なりとも損失が補填されるのなら、実施する価値はあるのではないかと思います。

マンション管理:管理費を滞納したまま死亡・相続放棄されたらどうなる

[2008年04月18日(金)]

先ほどの記事に続いてレアケースでしょうけれど、思いついて気になったので考えてみました。管理費を滞納したまま区分所有者が死亡してしまった場合。通常なら相続人が住戸自体を相続しますので相続人に請求すれば済む話です。しかし、相続人が居なかったら。もしくは相続人が居たとしても相続放棄した場合には、いったいどうなるのでしょう。相続されなかった財産は国有化されたと思いますが、その場合まさか国が滞納管理費を払ってくれるとは思えませんねぇ。一旦国有化された後に売却されて、そのあとの所有者に請求する事になるのでしょうか。調べてみても、いまいちよくわかりませんでした。