マンション談義

我が家では2001年12月に分譲マンションを購入しました。マンションを買うにあたって調べたり考えた事、また実際に住んでみて思う事をまとめてみました。

マンション管理:管理組合と管理会社

[2003年06月09日(月)]

意外と管理組合と管理会社の違いを理解していないマンション住民って多いそうです。実際、自分もマンションを買うまではきちんと理解していませんでした。そこで、自分なりに改めて両者の解説とよくあるらしい勘違いを説明してみます。

管理組合は、区分所有法に従って区分所有者全員で自動的に結成される団体です。区分所有者である限り脱退することは出来ませんし、マンションが存在する限り管理組合を解散することは出来ません。「めんどくさいから管理組合には加入していない」とか「うちのマンションには管理組合は無い」なんてことは有り得ないという事です。

管理組合はマンションを管理する役割があります。しかし、区分所有者が必ずしもマンション管理の専門知識を持っているわけではありませんし、管理業務を交代で行えるほど時間の余裕があるわけではありません。そこで管理業務を外部に委託するのが管理会社なのです。管理会社と管理組合理事会は共同でマンション管理に当っていますが、管理会社は管理組合員ではありませんし、理事長は管理会社の社員でもありません。両者は協力関係にあるとはいえ、基本的に別個の存在です。

管理費や修繕積立金を滞納する人が居ます。収入が減って生活に困ってと言うのなら同情の余地はありますが(だからと言って滞納して良いわけではない)、払うのがもったいないとか管理組合に入ってないからとか(それ自体が勘違いなのですが)の理由で払わないのは理由になっていない。掲示板で見かけた例では「管理会社が気に食わないから嫌がらせで管理費を滞納している」なんて人が居ましたが、筋違いも甚だしいし、管理費を滞納しても管理会社にとってはなんの痛手にもなりません。管理費も修繕積立金も、管理会社ではなく理事会でもなく管理組合の資産です。言い換えれば区分所有者つまりは自分のお金なわけです。そう考えれば、滞納するのは間違っていると分かるでしょう。それに、管理費や修繕積立金の使い方も、自分のお金なんだからもっと気にしてもいいですよね。

マンション管理:新築マンションの管理

[2003年06月09日(月)]

「マンションは管理を買え」とはよく言われる言葉です。実際、どんな立派なマンションでも管理が悪ければスラム化しますし、立地や設備が悪くても管理がいいマンションは欠点を補うような管理活動が出来て住みよくなると思います。しかし、その良い管理と言うのは実際に居住が始まって管理組合活動が始まってから決まることで、新築マンションの場合は管理の良し悪しは不明です。もの凄くやる気のある人は、どんな困難にも立ち向かって自分で良い管理を実現するという方法が取れるでしょうが、大多数の人はそこまでの労力も能力も無いでしょう。(個々人が良い管理を実現するためにできる範囲で努力するのは大切ですが)。では新築マンションでは良い管理をどうやって見分ければいいのか。私なりに調べたり考えた、新築マンションで管理の良し悪しをある程度判断する項目を挙げてみました。この項目が絶対と言うわけではありませんので、その点は差し引いてご覧ください。

住戸タイプが統一されていること
管理組合は区分所有者の集まりです。そこではできるだけ近い考え方の人が集まっていた方が、意思決定がスムーズに行くでしょう。個々人の考え方そのものはいろいろあっても、家庭環境や経済状況は近しい方が、考え方も近くなる可能性が高いです。その為には、ファミリー向けから単身者向けまで多数の住戸タイプを取り揃えているよりは、似たような住戸タイプのみである方が望ましいと思います。
駐輪上、駐車場が充分に用意されていること
「マンションは管理を買え」の言葉に必ず続いているのが「管理の良し悪しは駐輪場とゴミ捨て場のマナーを見ろ」となっています。駐輪場とゴミ出しだけで管理の良し悪しは判断するのもどうかと思いますが、多くの管理組合で問題になっているのが駐輪場、駐車場の問題でもあるようです。ここで注意しなければいけないのは、住戸に対して何%の駐輪上、駐車場があれば十分とは一概に言えないこと。都心の駅近マンションなら自家用車を所有する人は少ないでしょうから駐車場は少なくても構わないでしょうが、郊外のマンションなら100%でも足りないでしょう。丘の上のマンションなら自転車に乗る人は少ないと思いますし、ファミリータイプなら子供の数だけ自転車が存在します。
ペット飼育可であること
マンションでペットを飼うことの是非はとりあえず置いておきます。ちなみにペット飼育不可のマンションでペットを飼うと、法律的にどうあがいても勝てません。実際、最高裁でもペット禁止のマンションでペットを飼う方が悪いという判例が出ています。しかし、どんなに禁止されていても、必ずマンションでペットを飼う人は居ます。そうした時の管理組合の紛糾を考えると、最初からペット飼育が許可されているマンションの方が、もめる確率が低くて良いと思います。ペットアレルギーなどでどうしてもペット不可のマンションに住みたい人にとっては理不尽だと思いますが、それが現実でしょう。
非分譲住戸がたくさん無いこと
元々土地を持っていた人が土地を売却せずに、出来上がったマンションのいくつかの部屋を等価交換で貰うという方法があります。管理組合での投票権は基本的に1戸1票(厳密には所有比率なんですが、実際には1戸1票で運用される事が多い)ですから、こうした元地主は他の住人に対して大きな発言権を持っていることになります。極端な話、半分以上の住戸を持っている元地主が居た場合は、その管理組合は元地主の独裁になってしまいます。元地主が必ずしも悪い管理をするとは限りませんが、良い管理をするとも限りません。全ては元地主の人柄に掛かってきてしまいまい、それはリスクが大きいと思います。
管理費、修繕積立金が極端に安く設定されていないこと
分譲会社がマンションを売りやすくするために、管理費や修繕積立金が安く設定されるのは今では当たり前になっています。分譲会社の言い分としては、分譲後の管理は管理組合が行うのだから、管理費や修繕積立金が安いと思うなら管理組合で値上げすればいいという事なのでしょうが、値上げしますといってそう簡単に管理組合で賛成が得られるとは思えません。多少安いくらいなら現状では仕方がありませんが、極端に安すぎると将来の管理組合の財政が破綻しかねませんので注意が必要です。管理費や修繕積立金が適切に設定されて分譲されるようになるのが一番いいのですが。
1階部分店舗が無いこと
郊外の大規模マンションなどで、マンション敷地から出るのだけでも一苦労なんてところだと、敷地内に店舗が入っていても仕方がないかもしれませんが、都心のマンションで1階部分だけ店舗になっていても、住民にとっては大した利便性はないでしょう。それに対してデメリットは、最初に挙げた「住戸タイプが統一されていること」に反します。店舗として所有する区分所有者と住戸として所有する区分所有者にとって利益が一致するとは限りませんから、もめる原因になりかねません。
共用設備が充実しすぎていないこと
特に大規模マンションやタワーマンションなどでスポーツジムやキッズルームなど共用設備の充実をうたったマンションがあります。中には最上階温泉付きなんてのもあります。これらの共用設備は1戸だけではコストが掛かってとても所有できない設備をマンションの共有とすることによって実現するものですから、そのことだけを取ってみれば生活の利便性を向上させて良いことになります。しかし、ある特定の共用設備が全ての住民にとって必要なものであるとは限りません。この場合住民と言うのは10年20年先の自分自身にも当てはまります。小さい子供の居る世帯にとってキッズルームは便利でしょうが、子供が成長すれば無用の長物です。自分が使わない設備の管理費も喜んで負担する住民ばかりだといいでしょうが、そうは考えない人が居ないとは限りません。個人的には、マンションに住戸として必要な設備(エレベータとか集合ポストとか)以外の共有設備は無いほうが望ましいんじゃないかと思います。あくまでも住まう為の施設なんですから、住まいとは関係の無い設備で客寄せを行っていると言えそうな最近のマンション業界の風潮は疑問に思えます。
戸数が極端に多くも少なくないこと
戸数が少ないと、ほんの一部の区分所有者が管理費や修繕積立金を滞納しただけで、予算執行に大きな影響が出てきます。もちろん滞納はあってはならない事ですが、人間が集まっているところいろんな人が出てきますから、ある程度避けられない問題ではあります。戸数が多いところでは、滞納による影響は相対的に低く出来るのですが、今度は人数が多すぎてコミュニケーションがとり切れず、管理組合の運営が難しくなります。複数棟からなるマンションだと、特定の棟で修繕が必要になった場合に他の棟の住民の賛同が得にくいなんて事も起こりそうです。もちろんそんな反対意見は管理組合としては合理的では無いのですが、そこまで区分所有法を理解出来ない区分所有者も居ないとも限りません。ちなみに戸数が少ないとコミュニケーションは取りやすくなるとは思います。個人的には両方のメリットデメリットが相殺される100戸程度が分譲マンションとして適性規模なのではないかと思います。

(2004/5/20追記)

ペットについて
ペット可が望ましいと書きましたが、実際にはペットの買い方にも千差万別があるようでして。例えば1匹しか飼えない規則なのに2匹以上買う人が出たり、小形動物のみ可なのに大型犬を飼う人がいたり。鳴き声による騒音や、抜け毛や臭いの問題もあるでしょうね。結局、ペット可であろうがなかろうが、そのマンションの規則をみんなが守るか、また管理組合が守らせる事ができるかどうか、という問題に帰結してしまうのではないかと思います。

マンションメモ:近所付き合い

[2003年06月09日(月)]

「一戸建ては近所付き合いがわずらわしいからマンションに住む」というのはよく聞く話です。実際、自分もマンションを買うまではそういう考え方もありかなと思っていました。しかし、実際にマンションを買ってみるとそれでは済まない事を知りました。

マンションは区分所有というちょっと変わった所有権を持ちます。一戸建てだと一つのものを一人で所有していますから、売却しようが取り壊しをしようが全くの自由です。それに対してマンションの場合は売却は自由ですが、一部屋だけを勝手に取り壊したりは出来ません。マンション全体の事はマンションの区分所有者全員が集まって決めなければならないのです。

「近所付き合いがわずらわしいからマンションに住んでいるんだ。だから管理組合活動には参加しない」と言う人が世の中には居るそうですが、上記のことからこの考え方が間違っていることが分かります。更に言うと、こういう人が多く住んでいるマンションは管理組合活動が事実上機能しなくなってしまいますので、他の住民の迷惑になってしまいます。

近所付き合いがわずらわしい人は、マンションではなく一戸建てに住んで欲しいなと思いました。

マンション管理:管理の分離

[2003年06月13日(金)]

マンション管理の事をある程度勉強していて、管理活動には大きくわけて二つあるのではないかという話を知りました。

その一つは資産としての管理。不動産としての価値を維持し高めるための管理で、その為に管理組合の財産である管理費や修繕積立金の執行を行います。この管理は区分所有者のための管理です。

もう一つは住宅としての管理。ペット問題や駐輪上問題、騒音の問題などを折衝、解決します。この管理は住民のための管理です。

さて管理が二つに分かれると言っても、全ての住民が区分所有者であれば分けて管理する必要はありません。一つの管理組合で管理する事が出来ます。しかし、実際にはそうもいきません。そもそも最初から一部住戸が賃貸として設定されているかもしれません。分譲された住戸も、区分所有者の事情から賃貸に出されるかもしれません。投資用ワンルームマンションなどのように、そもそも区分所有者が居住しない事を前提としたものもあります。そうすると、区分所有者でありながら住民でないという人と、区分所有者ではないけれど住民であるという人が出てきます。

区分所有者にとっては資産としての管理は重要です。しかし、住民でなければ住民としての管理は他人事になってしまうでしょう。一方、区分所有者でない住民は住宅としての管理にいくら意見を言いたくても区分所有者ではないため、意見を言う事が出来ません。

このような場合、管理組合に区分所有者ではない住民も準組合員として参加させてはどうかと提言しているのを、とある本で読みました。私もそれが合理的な判断ではないかと思います。資産としての管理は区分所有者で、住宅としての管理は住民が行うのが、それぞれ当事者である事から妥当だと思います。本当に実現するには何かと問題はあるでしょうが、今後検討していかなければならない事ではないかと思います。

マンション管理:マンション管理士

[2003年06月13日(金)]

マンションの管理は管理組合が行います。しかし、マンションの住民だからといってマンション管理の専門知識があるとは限りませんし、その時間的余裕があるわけでもありません。そこで、大半のマンションでは管理会社と契約して、管理業務を外部委託します。

ここで、管理組合と管理会社が協力して良い管理が実現できれば理想ですが、そうとも限らないのが実情のようです。管理組合と管理会社ではマンション管理について圧倒的な知識の差があります。また、管理を通して利害関係が一致しているとも限りません。管理会社が管理の手を抜けばそれだけ利益が増大しますが、それは管理組合にとっては不利益です。しかし、管理組合に知識が無いために、管理会社の手抜きを見抜けないという可能性もあります。

こんな現状を解決するために、マンション管理適正化法という法律が用意され、その中の目玉としてマンション管理士という国家資格が誕生しました。マンション管理士は、管理会社とは独立して、良い管理を実現するために管理組合に協力する事になります。このマンション管理士という制度は良い制度だと思います。これまで、管理会社の好き放題に出来たという環境を変えた事に、大きな意義があると思います。自分自身もこの資格を取ってみたいと思いますし、出来る事ならマンション管理士として開業してより良いマンション管理を実現できるような活動が出来たら良いなとも思います。

しかし、マンション管理士が登場して、マンション管理士に任せておけば全て解決でしょうか。残念ながらそうはいかないと思います。相変わらず、管理費用を負担するのは管理組合ですし、良い管理を実現して利益を得るのは管理組合だけです。利害が一致しない管理会社が搾取していたのがこれまでとして、これからはマンション管理士が搾取するようになる事が有り得ないとは言えません。結局、良い管理を実現するためには、管理組合自身がマンション管理の知識を持つしかないわけで、私自身もその為に何か出来ないだろうかという事を思いながら、その第一歩としてこんな駄文を書いていたりします。

(追記)

上記で、まるでマンション管理士が役に立たなかったり、管理組合を食い物にするようにも読める文章を書いてしまっていますが、それは本意ではありません。ほとんど全てのマンション管理士は良い管理を実現するために誠心誠意努力されていると思いますし、管理会社にしても同様だと思います。ここで言いたかったのは、あくまでも管理組合として知識を持って自立する事が重要であるという事で、マンション管理士や管理会社を貶める意図はありません。誤解なきようにお願いいたします。

マンションメモ:分譲住宅は無くなるか

[2003年06月13日(金)]

とあるマンションに関するコラムで「将来的には分譲マンションは無くなって、全てが賃貸住宅になるのが理想的である」という論を見かけました。

この論にはある程度の合理性があり、納得できる部分もあります。分譲マンションは区分所有という特殊な所有形態を採っている為、建物全体の管理に余分な手間が掛かります。合意形成の難しさから管理が行き届かなくなる可能性も高いです。区分所有者自身もマンション管理には必ずしも明るくないため、良い管理を実現できるとも限りません。専門知識を持ったオーナーがマンションを建築して管理し、住民は家賃を払うだけで管理にはノータッチというのはある意味理想的な環境かもしれません。しかし、私はやはり分譲マンションはあった方がいいと思います。

その理由の一つは、賃借人とマンションオーナーは住宅について利害が対立する関係にあるからです。オーナーから見れば、コストを削った劣悪な住宅を高い家賃で供給すれば利益が増大する事になります。しかし、そんな住宅に住む事は賃借人の利益にはもちろんなりません。自由競争の社会ですから、劣悪なオーナーは市場原理によってある程度淘汰されるでしょうし、法律の面からも良質な住宅供給を後押しするようになってきてはいますが、この利害の対立を解消しない限り、根本的な解決にはならないと思います。

次の理由は、住民は自ら所有者となる事によって、よりよい住宅について関心を持つきっかけになるからです。この点は特に自分自身にとって重要でした。例外もあるでしょうが、一般的には人間は自分の所有物でないものにはそれほど興味を持ちません。逆に所有する事によって関心を持つようになるのです。私も、マンションを購入する事によって、これまで興味を持たなかった多方面について興味を持ち、勉強するきっかけになりました。良い住宅に関心を持つ人が多くなるという事は消費者の見る目を育てる事になり、結果として世の中の住宅の質の向上に繋がる事になります。

最後に挙げるのは、分譲マンションは極論すると民主主義である点です。一方、ワンオーナーによる賃貸マンションは独裁主義です。民主主義も欠点は多い政治制度ですが、独裁主義よりもマシである事に異論のある人は少ないと思います。もちろん、独裁国家と違い、悪い独裁オーナーによるマンションの住民は別のマンションに引っ越す自由があります。しかし、引越しはコストが高いですし、引っ越した先の独裁オーナーが良い独裁者であるとも限りません。それよりは、民主主義により自分の力で良いマンションに変える事が出来る可能性がある方がマシだと思います。