BOOKOFFの100円棚で思い向くままに手にとった本を乱読した読書記録。ただし読書量は少なめ。
[2007年01月01日(月)]
どうも最近本を読まなくなった。量の問題もだけど、数少ない読んでる本も分野が偏ってしまっている。これでは自分へのインプットが減る一方でいかんと思い、2007年の目標に広い範囲の本をとにかくたくさん読むということを掲げてみました。ここはその読書記録+アサマシエイトです。書評なんてえらそうなものではありませんので、書評を探して来られた方は以後は読まないほうがいいと思います。
読む本はタイトルの通り古書チェーンBOOKOFFの100円棚から選ぶことにしました。書籍というのは実際にはコストパフォーマンスが非常にいいものです。文庫、新書なら新刊でも数百円で買えるのに、中身の価値は数百円どころではないものばかりです。なんですが、やっぱり自分の財布から数百円を出すのはちょっと抵抗がある。この値段を出すなら、どうせなら安心できる本をと思うと、どうしても分野が偏ってしまう。これでは面白くない。その点、1冊100円だと心理的な抵抗がほとんどなく、今まで全く興味を持たなかった分野の本にも手を出すことができます。ということで、筆者や出版社の方々には申し訳ないのですが古本屋で調達することにしました。
[2007年01月12日(金)]
昔ながらの母親の手作り料理をベストとする視点からの、工業的食糧事情の批判本かと思ったけど、後半はそうでもないな。それに母親手作り料理も食育の視点から語られると弱いな。納得してしまうぞ。ただ、やはり筆者の感情としては母親の手作り料理、料理人による手間の掛かった料理を最上とする感覚は行間から見て取れる。感情として分からなくはないけれど、現実問題として現代社会においては食は工業生産されざるを得なくなるわけだし、そこには個々人の嗜好や体調を料理人が配慮するという仕組みを持ち込むことは不可能である。それでも個々人に合わせた食が必要であるならば、料理人以外の新しい仕組みを導入すべきだろうと思う。
なるほどなと参考になったのは、一旦生産された食料も飼料になることでそのまま食料とするのに比べるとカロリー効率が非常に悪くなること。単純に言えば人類が肉ではなくトウモロコシを食べるようにすれば食糧問題は解決するわけだ。もちろんそんなことは出来ないんだけど、考え方のヒントとしては面白い。
[2007年01月16日(火)]
どこかでぼろくその書評を読んだ事があって、どんだけひどい本かと思ったら、随分まともではないか。規模の小さな調査から憶測で書かれているんだけど、主観で書いているというのは著者も認識してるんだし。データに関する記述が多いので読みにくいのは困るけど。読み物的には十分な本ではないかと。
読んでて面白かったのは、豊かさの絶対値ではなく今後の増分の期待値が幸せ度に大きく影響を与えるという考え方。高度成長期の日本は明らかに現代より貧しかったが、今後の期待が大きかったために幸せだった。現代は豊かではあるが、今後さらに豊かになる見込みがないから幸せを感じられない。これって非婚や少子化の要因の一つでもあるんじゃないかな。家族が増えても今後豊かになっていく見込みがあるなら、その扶養負担はへっちゃらと思える。一方、現代では扶養負担はそのままそれ以前の生活からのマイナスを意味する。これじゃ誰も結婚したいと思わないし子供も欲しいとは思わないだろう。
全般的に筆者の主張は階層の固定化が行われつつあるという点にある。その是非とか、そもそも階層の定義とか議論すべき点は色々あるんだけど、とにかく筆者は現実にそういう事態が進行しているという仮説を立てている。この考え方は、以前読んで面白いなと思った貧乏人の正体というテキストに通じるものがあると思う。どちらの主張も、階層は固定化する性質を持っているものの、その仕組みを看過することで移動する事も可能であるとしている。その点が昔の身分制度との違い。
[2007年01月22日(月)]
字が大きいから読むのも速い。邱永漢氏の本は大昔に1冊読んだことがあったっけか。タイトルもよく覚えてないけど、同じくお金絡みの本だったような気がする。内容は個々は既にどっかで聞いたような気がすることばかりだけど、要はそれを実践できてないから私は豊かではないんだろうね。そればっかりに価値を求めているわけではないから、お金だけに突き進んでいくというつもりでもないし。40歳になったらという節があったけど、私自身の方向性もそろそろ固めていくべきなのかもなぁ。もちろん固めないというのも選択肢なんだけど、固めたほうがその方面で高いレベルに達することができるのは確かだと思うし。
[2007年01月29日(月)]
予想以上に面白い本だった。この本はディズニーランド開業直後の1987年に出版されている。それが2001年に増刷されていて、今読んでも内容が古びてないのは多分次の二つの理由から。
一つは、当時の消費者動向として「ハードからソフト」「量から質」「個人指向」などのキーワードが並べられているけど、そのほとんどが現在でも通用しそうな事。バブル以前と以後では時代的に大きな断絶があるのかと思っていたけれど、実は消費者動向は潮流としてはずっと続いているのかもしれない。変わっているとしたら、むしろ高度経済成長からオイルショックの時期ではないだろうか。本書ではそれを第二次産業中心から第三次産業中心への転換で説明している。
もう一つは、消費者動向が変わってないこともあってか、この20年間ディズニーランドが勝ち続けてきたこと。ディズニーランドがサービス業のお手本というのはずっと言われ続けているけれど、未だにそれを越えるところがないのはどうしてだろうか。その理由はいろいろあるだろうけれど、その一つとして思ったのは本書のこの一節。「会社の社長が従業員を連れてディズニーランドにやってきて「さあきみたち。今日一日たっぷり遊んで、ディズニーランドのサービスを学んできたまえ」と言う」。この社長はディズニーランドが優れている理由をスタッフの資質によるものだと解釈している。だからスタッフが成長すれば自社も成長できると考えているのだろう。しかし、本書を読めばそれが完全な誤解であることは明らかである。ディズニーランドは明確なビジョンがあり、それを実現するためのポリシーとオペレーションを厳格に実行することでその質を実現している。スタッフの資質を否定するわけではないが、それに依存する運営はされていない。
この本は開業直後に書かれたこともあって、スタートには成功したものの、今後飽きられる事への対策はどうなるかと疑問視している。結果的に20年間ずっと飽きられる事はなかっただけけど、どうして飽きられなかったのかを解明する続編があったら読みたい。
ところで、なんでディズニーがテーマパークかなんてこれまで考えたこともなかった。せいぜいキャラクターをもっているから、それを多角展開したんかなぁ程度の想像。が、とんでもない。実際にはディズニーは長編アニメと同じ手法でテーマパークを作っている。これは私の亡師が建築と映像は軸が空間か時間かだけの違いで本質は同じと言ったことと同じ事。亡師からそれを10年も前に聞いておきながら今まで気がつかなかったとは、うかつとしてもうかつ過ぎ。
ほかのテーマパークは見せ物小屋からの発展ならまだいい方。コンテンツ指向だから。それよりは土地を区切って何を作るといった土建屋敵発想で作られたテーマパークの方が圧倒的に多いだろう。バブル期に量産されたテーマパークはまさにそう。ディズニーランドより後から出来ていながら、今残っているのはいったいいくつあるのか。これではディズニーランドには勝てん。キャラクターありきのテーマパークでも、そこにストーリーや空間的/時間的演出がなくて単にキャラクターを見せるだけではやっぱりディズニーには勝てない。
地下トンネルなどの神話を作る手法や、ゲストだけでなくキャストまでもマジックにかけて忠誠心を高める方法は面白い。短期間のアルバイトにまで徹底した研修をするというのもすごいね。
経済記者らしく、土地の価格などへの考察もそれなりに面白い。ただ、後半の祭りとの関連づけなどは、面白くなくはないけど蛇足とも感じる。新聞記者としては問題提起の視点を入れたかったところだろうとは思うし、本書の真のテーマでもあるんだろうとは思うけど、ディズニーランド自体を知りたいという読者層からは離れてしまっている。
[2007年01月30日(火)]
江ノ島水族館の館長さんの著書。実はこの本が出版された直後の1999年頃、仕事で江ノ島水族館に係わる機会がありました。その時にこの本の存在も知っていたのですが、なんとなく手にとるのが億劫で読んでませんでした。今こうして8年も経ってから100円で買ってきて読んだわけですが、節約できたのは数百円。しかし、当時読まなかったことによる損失はプライスレス。結局その時の仕事自体は流れてしまったんですが、それでも自分が一番強く興味を持つように動機付けされていた時に読めば読み取れるものは大きかっただろうにと思うと勿体無かった。今読んでも、ただ単に何となく読み流してしまっただけだから。
江ノ島水族館自体は当時訪れて観てはいるのですが、本書を読んでいればバックグラウンドがよりよくわかったでしょう。カリブ水槽は完全循環型の水槽で、確かに展示の説明でもそんなことは書いてありましたが、その実現に様々な苦労や工夫があったことを知っていれば、もっと興味深く観ることもできただろうに。もったいないことをした。
という自分語りはおいといて、本書について。前半は世界的な水族館の歴史と変遷。これは後半にも言えること何だけど、図やイラストが極端に少なくて文章だけで説明されているので非常に分かりづらい。というか、水族館の配置や構造を言葉だけで説明されても正直言ってよくわかりません。
後半は水族館で飼育されている水棲動物の話が中心。こっちはまだイラストがなくても分かりやすいかな。
全般的に学者さんが書いただけあって、ちょっと不親切な文章ではあると思う。ある程度水族館について知識のある人が読むにはいいだろうけれど、全くの素人ではとっつきにくいかなぁ。